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■参考図書■

 心理障害とその治癒の本質を考える上で、大きな影響を受けた図書について紹介します。
 *これ以外の関連図書として、心理学・臨床心理学・精神分析学・脳生理学・精神病理学・理論物理学・量子力学の様々な図書がありますが、各学問一般の情報元図書については省略します。このサイトで解説する事柄について特別に影響を与えたものにつき、憶えている範囲で紹介します。

デビッド・D・バーンズ「いやな気分よ、さようなら星和書店
認知療法のベストセラー。
マイナス思考をプラス思考に変えるという実践を、「心の持ちよう」という常識訓を遥かに超えた人間心理の理解を背景に、前向きに提言する。
認知療法の本質は、「ダブルカラム」とかの技法ではなく、行間に示されるD・バーンス達の人間心理の深い理解、そして人間愛にあると思います。
文句なく誰にでもお勧めできる本。
 2002.11.23

アルバート・エリス「論理療法川島書店
認知療法と同様、合理的な思考への積極的自己説得を療法の柱とする。
認知療法との違いは細かい実践手法の違いに過ぎず、本質は同じものと思います。
 2002.11.23

カレン・ホーナイ「神経症と人間の成長ホーナイ全集6、誠心書房
ホーナイ理論の集大成。
3つの基本態度間の葛藤のさらに根底に、「理想化された自己を生きる心性」と「真の自己」との間の葛藤が潜むという、ホーナイ独自理論を確立した。
人類史上最も深い人間心理の洞察を記述した書籍のひとつだと思います。
理論記述としてはやや冗長で読みづらいかも。
 2002.11.23

カレン・ホーナイ「心の葛藤
ホーナイ全集5、誠心書房
人格要素間の葛藤を心理障害の中心と考える、ホーナイ理論の骨格が形作られた著作。
「人に近づく」「人に敵対する」「人から離れる」の3つの基本態度間の葛藤。
その不具合を繕うための自己理想化。 2002.11.23

カレン・ホーナイ「自己分析
ホーナイ全集5、誠心書房
自己分析をするとはどうゆうことかについて、現時点で最も具体的で分かりやすい図書だと思います。
ホーナイの比較的初期の著書で、理論的には少し断片的です。
訳者の言葉にあるような「性格改造」という響きはちょっと皮相かと。
 2003.6.18

ウィリアム・ユーリー「ハーバード流“NO”と言わせない交渉術
知的生きかた文庫、三笠書房
ハイブリッド人生心理学が採用する行動学は、「ハーバード流交渉術」に基づくものです。
心理障害によって大きく損なわれた心の安全感や自尊心の回復のためには、「障害の治癒」という消極的なものだけではなく、この社会でうまく生きる知恵と能力という積極的なものが絶対的に必要であるというのがハイブリッド心理学の考えです。
この交渉術の背景にある性善説的人間観や建設的生き方の思想は、あらゆる人間関係に応用が利きます。その具体的内容の勉強としてうってつけの一冊。
 2005.10.6

デイヴ・ペルザー「“It”(それ)と呼ばれた子 幼年期青春編完結編
ヴィレッジブックス
島野が自らの心理学の基盤としたのはホーナイと認知療法およびハーバード流交渉術という学問領域です。それ以外で唯一「学んだ」といえるものがこれ。
ハイブリッド心理学は、「正しければ報われる」という道徳的世界観ではなく、人生は基本的に
「サバイバル」であるという世界観を採用しています。「他の人が顧みないことでも僕は価値を認めることができると信じている」というペルザーの言葉は、彼がサバイバルを生き抜いたことで、「価値を認める価値」という、人生における最大の価値を手に入れたことを示しています。ぜひ3巻通じての読書を。 2005.10.6

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