■ 望みのメカニズム-4:異常性愛のメカニズム / しまの |
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これはごく簡潔に書くだけにしときますが、各種の異常性愛は、1)深層欲求の阻害による欲求の皮相化、2)怒り憎悪の蓄積による破壊衝動、3)感情の膿の作用、により変形した結果として大体理解することができます。 もちろん、性愛衝動が思春期以降の一般欲求として元来かなり誘引を持つという背景があってです。 また例により医学書的文調..^^;
能動的な愛の欲求が停止されると、受動的な愛が比重を高め、嫉妬という感情が起きてくる。健康な愛が阻害されると、性が比重を増し、象徴的傾向を帯びるようになる。 最も初歩的(^^;)な心理傾向としては「面食い」があります。これはごく一般心理から、ややあまりに特異な一目惚れ入れ込みへと進化(ちょっと冗談っぽい言葉の使い方ですが..^^;)していく。 さらに象徴的になるのがフェティシズム。
幼児性愛や同性愛では、接触のための障壁の低しものが次第に短絡的に性愛衝動を帯びるという変化過程を想定することができます。
僕自身の体験談などちょっと書きますと、こうした異常性愛の世界にはっきり足を踏み入れる感じでは幸いありませんでしたが、そうした感情の芽は視界に届いていた感じです。そして性愛には概して異様な誘引を感じながら、同時にそこに近づく深淵のような恐怖があった、という感じ。 それらは長い感情分析の歩みを経て、今は実にあっけらかんと健全な性の感覚を持つ自分を最近感じている次第です。そしてそうした変化の媒介となった、性愛衝動の象徴的要素についてのかなり明瞭な分析体験を沢山経ています。
分析体験の内容と、その前後での性愛衝動の変化に、意識上のつながりは皆無です。時間を経て、自分の性愛衝動がやけに健全で陰湿さが消えているのを自覚し、これは有難いことだと感じたりしたわけです。 うんまあ、こうした体験を詳しく描写するまで筆が進むのはまだかなり将来のことになると思いますが。
つまり、異常性愛の発生メカニズムは、我々が意識できるのを超えた深いところで起きる、実にはっきりした法則に従っているということです。 これは逆の方向性として、異常性愛が健全な性愛に変化していくような、我々の意識的理解を超えた回復メカニズムがあるということです。
最近のニュースでは、奈良の幼女殺傷事件の小林薫とか、監禁王子とか、そうした異常な事件が示された後に、社会は何故そんなものが生まれたのかと騒ぎだす。 原因は不明、なんかじゃない。さらにそれは健全への回復の道があることなのだという認識を、社会が持つことが課題だと思う次第。 |
No.641 2005/06/29(Wed) 00:01
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