ケース・スタディ
感情分析過程の例
02 ハイブリッド療法の姿勢と感情分析過程が典型的に現れた数日間の体験  2003.9.2

0■ はじめに  2003.9.2
ハイブリッド療法の基本的姿勢と感情分析の過程を簡潔に説明します。

1■ 問題となった障害感情とは  2003.9.2
問題としては対人不安や怒りの予期不安を中心とした、対人感情の混乱です。これが他の心理障害の方への援助行動という特殊な状況で起きたことで、障害感情が抽出しやすい状況と言えます。

2■ 2002年12月7日(土) ある境界性人格障害の女性Aさんに援助を申し入れる  2003.9.2
Aさんに援助の申し入れをした経緯を説明します。自分の考える心理療法の「教科書」ができる前のことで、自制心もありましたが、そうするに至ったのには多面的な思い入れがあったようです。

3■ 2002年12月9日(月) Aさんの事態が緊迫化し会って欲しいとの願いを受ける  2003.9.2
私の考える「心の指導」はほとんど形をなさないまま、会って下さいとの緊迫感溢れるメールを受け、この想定外の事態に落ち着けなさを感じる自分の心の自己分析が始まります。

4■ 自分の行動への不安感の自己分析(1) 問題が解消したかのように見える  2003.9.2
相手の怒りに出会うことで、怯えてびくびくしている不様な自己像があることを自覚します。この自己像を無意識化したことにより、対人場面に得体の知れないような不安が起きていたことを自覚します。この自覚は気分を楽にし、問題が解消されたかのように思われました。

5■ 2002年12月10日(火)  自己分析(2) 埋もれていた自己欺瞞が明らかになる  2003.9.2
楽になった気分で、会うか電話で話しましょうとメールを入れたあと、より本質的な落ち着けなさが自分の中にあるのを自覚します。本格的な自己分析は思わぬ方向に進み、「人間としての自信を自分は持っている」というポーズを生み出していた感情の膿が明らかになります。この消滅と共に、対応する自己操縦心性が崩壊に向かい、地震のような感情変動が起きます。

6■ 2002年12月12日(木)  Aさんへの援助姿勢の変化とその後  2003.9.2
数日前までの熱意を失った状態でAさんに誠実に対応します。この数日を経て起きた変化を概観します。

7■ おわりに  2003.9.2
この例のような自己分析を経て起きる人格の変化について概観します。

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