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ハイブリッド心理学辞典
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実践の学び
 実践-5 悪感情への対処と「自己分析」
  実践5-1 悪感情の種類別の克服対処の指針

怒り
  基本説明  怒りの有害性の理解「不幸になるための生き方」参考資料  実践における怒りの克服ポイント  怒りの克服への最終的な悟り

最終更新:2017.1.19
基本説明 
「怒り」こそが、私たちが人生根本的な捨て去りへの取り組みをしたい、本尊悪感情だと言えます。怒ることが正しい、怒ることが力になるという観念によって、自らの人生を積極的に破壊し、不幸なものにしていくからです。
怒り有害性理解し、外面においては怒りを用いない行動法学び習熟するに、否定価値の放棄によって怒り根本的に捨て去るのが、ハイブリッド心理学取り組み実践大きな柱になります。

ハイブリッド心理学による怒り克服への取り組みは、次の3つ段階から成るものと言えます。

1.心の足場への取り組みの段階
そもそも本当に心が怒りを克服しようとする方向に向いているのか
確認重要になる段階です。
ありがちなのは、「いつも穏やかな笑顔でいる自分」というような、外面印象での理想抱きながらも、実際対人トラブルなどの場面では、実は怒りのパワーで相手をねじ伏せられることを至上の力だと感じるのが本心であるというような、心の分裂状態放置されているものです。
心にそうした分裂を抱えている限り、私たちはどの方向にも進み得ないことを銘じた上で、怒り克服への基本的方向づけ、および具体的実践へと向かうのが良いでしょう。
基本的方向づけとしては、まず知的側面においては怒りの有害性について十分理解すること。これについてのハイブリッド心理学考えを「怒りの有害性の理解」としてに簡潔に記します。
そして感情的側面においてはそれを踏まえて、いかに怒りを捨て去りたいという気持ちを本当に心底から持つかですが、これについては精神論姿勢論ではなく、最初のうちはその自己問いかけ重要になるものとして、次の具体的実践随時向き合っていくと良いでしょう。

2.怒りの克服への具体的実践の段階
怒り克服への具体的実践は、「怒りを捨てる実践」という限定的テーマとしてではなく、「社会を生きる自信」「真の強さ」獲得という総合的大きな目標に向かっての取り組み実践がそのまま、怒り克服への実践なのだと位置づけるのがハイブリッド心理学流です。
つまりそれは「怒りを捨てる練習」などというものではなく、目の前日常生活人生問題課題に対し、「建設的行動法」そして「行動学」という王道学び実践し、自らの行動能力と人生を築いていくという一つ一つ実践が、そのまま「怒りの克服」方向にある、というのがハイブリッド心理学取り組み実践です。また、それらの支えとなり「価値観」向き合い、もし内面妨げがあるのであれば解きほぐすという実践が、です。
それが、
 実践-1 「感情と行動の分離」の基本姿勢と「取り組み実践」
に始まり、
 実践-2 「破壊から自衛と建設へ」の基本行動様式の転換
 実践-3 行動学
 実践-4 「愛」「自尊心」「人生」のための価値観と行動法
 実践-5 悪感情への対処と「自己分析」
(当項目)
へと展開する実践です。
そうしたで、特に「怒りの克服」意識焦点を当てるということも、もちろん出てきます。それについて「実践における怒りの克服ポイント」としてに簡潔に説明します。

3.最終的な悟りの段階
怒り最終的な克服は、そうした「社会を生きる自信」「真の強さ」への歩みが、実際にそれなりのレベルでの獲得へと到達した段階をさらに足場にして、怒り根源にある、心の深層の巨大な怒りのエンジンのようなものの存在気づき捨て去るという、一種「悟り」のようなものとして成される、というのがハイブリッド心理学考えです。
ここでもやはり、その「悟り」は、山寺修道場のような特別な場所にこもって瞑想訓練を行う先になどというものではなく、人生実際に生きる成長そのものとして成すのだというのがハイブリッド心理学流です。
これが実践の学び最後に位置づけられている、
 実践-6 「否定価値の放棄」の根本的選択
です。
そうして心の深層の巨大な怒りのエンジン捨て去られることによって、私たちははっきりした理由もなく駆られていた怒り理由自覚し捨て去るという、怒り克服への最終的自己分析段階へと至ることができます。
これらうした最終的段階主な内容について、「怒りの克服への最終的な悟り」として下に簡潔に記しておきます。

怒りの有害性の理解 
怒りの有害性への理解が、怒り克服への心の方向づけ第一歩になるでしょう。
ハイブリッド心理学では、怒り本来自分より強大もしくは同等戦うために、怪我を前提にして生き延びる状態になるよう、血を脳に集め痛覚を麻痺させ身体の代謝を一時停止状態にするための脳内毒として生み出されたものであり、それが解除されないまま長時間持続することは、消化器系臓器の損傷皮膚の状態の悪化をはじめとして、免疫機能の低下によって各種疾病の引き金になる感情だという考え採用しています。

・「不幸になるための生き方」
そのように、怒り本来「弱さ」「低い問題解決能力」表れであるにもかかわらず、人間はその未熟な思考の中で、怒りパワー至上のものと考えたり、さらには怒ることに「正しい」という観念を結びつけ、「正しければ怒って当然」といった思考の中で、「成長」に向かうことなく自らの心身にダメージを与え続けることを「正しい」こととして生きるという、「不幸になるための生き方」身につけるようになる。これが現代人一つの特徴だ、とハイブリッド心理学では考えます。
そこにある「未熟」と「病み」から抜け出し「健康」「成長」そしてさらには「成熟」へといかに向かうか。ここにハイブリッド心理学主題がある、と言えるでしょう。
参考資料 
・入門編上巻 1章 怒りのない人生へ - プロローグ・「怒り」の有害性 / 「精神的な怒り」(P.17-19)
怒りは、自分より強大もしくは同等戦うために、多少怪我前提として生き延びるための脳内毒薬です。「怒り」基本的「弱さ」表れであり、自身にもダメージを与える感情です。
それが人間においては、身体的攻撃だけではなく、「お前は悪い」と言われる精神的攻撃を受けたダメージに対して、「悪いのはお前の方だ」反撃怒り駆られることで、さらに自身ダメージを与えるという、二重の痛手負うことになります。
・入門編上巻 1章 怒りのない人生へ - 怒りを選ぶ現代人(P.21)
現代人頻繁「怒り」を選ぶ理由として、実際この社会危険と考えている、危険避けるために怒る以外方法を知らない、他人思い通り動かす方法として「怒り」を使おうとする、「悲しみ」弱さしるしのように恥じる、といったことが考えられますが、最後に、「怒る」ことを「正しい」ことと勘違いするという大きな問題があるようです。つまり正しいと思うから怒るのではなく、怒る感情によって自分が正しいと感じるのです。この結果怒る人は大抵、「私は正しく、そして不幸だ」というものになっとてしまいます。
・入門編上巻 1章 怒りのない人生へ - 「怒り」と「善悪」 / 善は悪を怒る? / 善は悪を許す? / 「泣いて馬謖を切る」 / 怒りは破壊でしかない(P.24-33) 人間において、怒りが「善悪」と結びつきやすい理由を考察しています。
怒ることと「善悪」は本来別の話であり、怒りについて言えば、怒ることが実際に役に立つ時だけ怒ればいい。それは悪意により身体的危害加えられそうになったような場合だけでしかありません。一方「善悪」社会前提「掟(おきて)」として生まれ、破った者「罰」与えられる様子と「怒り」結びついたものと思われます。しかし「罰」は本来、「怒り」の下で行われるべきものではなく、私たちが私たち自身を守るために、「愛」の下で行うべきものなのです。さらに「罰」は「技術」であって、感情の表現ではないのです。結局「怒り」「正しさ」とは無関係の、「破壊」でしかありません。「怒り」捨てることが、心の健康への最も基本的なことになります。 
・この対照で「愛」がどう考えられるかにつなげています(参照)。

実践における怒りの克服ポイント 

怒りの克服への最終的な悟り 


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