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ハイブリッド人生心理学(ハイブリッド心理療法)実践ガイド


■人生の再建のための7つの知識領域

 ハイブリッド人生心理学は、自己に閉ざされた人生の再建のための知識の集大成です。
 これはおよそ7つの知識領域から成り立ちます。1)心の健康学、2)人生の思想、3)心の姿勢、4)人生の心理学、5)感情改善の基本技術、6)感情分析技法、7)心の手術的知識です。

 なぜこのように学際的なものになるのか。人間というひとつの本質が対象だからです。さまざまな視野の中で、どれが必要かという一面的な見方ではなく、さまざまな視野から捉えられる、ひとつの本質を知ることが大切です。
 それらを単に全部足して合わせるのではなく、全てがつながった、一貫性のある、私たちの心を成長させるための智慧として、学んで頂きたいと思います。

■こんなに沢山?と感じたら

 実際、こんなに沢山のことがあります。でも、これが全てです
 私自身は、自分自身の心に取り組み始めてから、宿命のような偶然と、外面生活への没頭による数年の停滞期間、それら紆余曲折も含め、20年以上かかってここにたどり着きました。
 その全てがここにあります。数年かかって全部分かれば十分でしょう。それでも私の場合より遥かに短くて済むと思います。進むべき道筋と、地図がすでにあるからです。私の場合はそうではありませんでした。

 決して焦る必要はありません。じっくりと学び、今の自分にとって切迫した問題に焦点を当て、今できることから着実に学んでいって下さい。
 焦ってパニックになりそうなら、メールで相談下さい。今何を考えるべきか、多少アドバイスができるでしょう。
 まず、心を落ち着かせることからです。実際落ち着かせることができるのであり、落ち着かせていいんです。急を要する場合は基本的自己受容感情改善の基礎をまず学んで頂き、落ち着いてからじっくり色んなことを学んでいくのがいいかもしれませんね。



*現在、最初の出版本にむけ整理作業を開始したところです。以下はそのまま目次立てになる予定。
 参考:実践ガイドの最初のバージョン


ハイブリッド人生心理学へのご招待
(ハイブリッド心理療法)
ハイブリッド人生心理学は、私たちの心についての、およそ7つの知識領域にまたがる心理学です。人の心がなぜ病むのか、どのようにしてそれを健康な心へと治癒成長させることができるのか、その課題へのひとつの科学的専門知識を提供するために、島野隆が体系化している心理学です。
自分自身の心の問題への取り組みとする限りにおいて、これを心理療法として実践することができます。
 
T 幸福を目指すための価値観人間観 喜怒哀楽という人間の感情と心の健康の基本的関係を学び、それに合った新しい価値観人生観を学びます。
1 心の健康学-怒りのない人生へ- 目指すべき心の健康とはどんなものなのかを理解します。それが心の自然成長力と自然治癒力を解き放つことで得られるという基本的知識を学びます。
 1.1 感情と心の健康
 1.1.1 恐れと怒り 1.1.2 悲しみと喜び 1.1.3 善悪と怒りと愛 1.1.4 怒りのない人生へ
「怒り」は自らにの心身にダメージを与えための有害な感情です。「正しければ怒る」という姿勢、「こうあらねば」と怒りによって自分を縛る姿勢の中で、人の心は成長することはありません。
怒りと愛は、善悪ではなく強さと弱さに関係します。心を強く成長させた時、怒る必要はありません。は自然に生まれます。「怒りのない人生」が、私たちの目標にできるものです。
 1.2 心の自然成長力と自然治癒力
 1.2.1 心の自然成長力と自然治癒力 1.2.2 心を解き放って生きる 1.2.3 心理障害と心の自然治癒力 1.2.4 自分を優しく育てる
心の成長は、成功した姿を自分に押し付ける人工的な方法で起きるものではありません。心に本来そなわった自然成長力を開放し、現実の中で生きることで心に成長が起きます。心理障害の根本的治癒も、心が本来持つ自然治癒力の開放によってもたらされます。
それは「心を解き放たねば」と考えて行うものでさえもありません。まず心を縛る姿勢を知り、それを捨てる努力から行うことができます。そのための専門的心理学を提供します。それと共に生き、未知を選択することです。
2 幸福を目指すための新しい人生観 情緒道徳によって現代人の心に起きている問題を理解します。それによって失った自己の人生を再建するための新しい価値観人生観として「心理学的幸福主義」を提唱します。
 2.1 道徳と現代人の心の問題
 2.1.1 道徳と人生思想 2.1.2 情緒道徳への別れ 2.1.3 現代人の心の問題 2.1.4 未知への選択
人の情緒の特定の側面だけを「善」と決め付ける情緒道徳は、心の健康に害があります。これからの時代にふさわしいものではありません。
「しつけのために叱るのは良い」という勘違いが染み付いた現代社会の中で、子供は「何でそんななの!」という怒りをやがて自らへの怒りとして取り込み、自ら心の成長を断つ不幸な人生を歩んでいます。
今の自分の感情でものごとを決め付けず、未知の自分があることを否定しないことから、失われた自分の人生を取り戻す取り組みを始めることができます。
 2.2 心理学的幸福主義
 2.2.1 幸福と心の成長 2.2.2 心理学的幸福主義 (1) 善悪の解体 (2) 自己による幸福の追求 (3) 現実科学による世界観 2.2.3 サバイバル性善説の人生観−全てが許された世界へ−
ここから、人生の再建への歩みが開始されます。
幸福とは何かについての心理学知識を学び、それを目指して生きるという、「心理学的幸福主義」を提唱します。これが、ハイブリッド心理学がお勧めする価値観世界観であり人生観です。この世界観は最終的には、弱肉強食のサバイバル世界を肯定した上で、愛が人間の本性と考える、楽観的な性善説に至ります。この世界観の中で、全てを許し、自己を唯一無二の存在として生きる人生を歩んでいくことができます。
 
U 思考法の改善へのアプローチ どのような心の姿勢が心の健康に望ましいのか、人生の再建と幸福のために何を目指し自己を導くのかを理解します。
3 自己を成長させる心の姿勢 心の姿勢としては、まず基本的自己受容を選択することから始まります。その上で、日常生活での思考法を全面的により建設的なものへと変換する実践です。
 3.1 基本的自己受容 生きものは全て、固有の速度と内容の成長力持っています。これを自分自身についても認めることです。「何歳にもなって!」という見方をすることをやめ、自分の心に耳をすませることです。
 3.2 心の選択肢
 3.2.1 未知への選択 3.2.2 自己の重心の選択 3.2.3 破壊から自衛と建設への選択 3.2.4 イメージから現実への選択 3.2.5 断片思考から全体思考への選択
日常生活における「思考法」を、全面的に新しいものに切り替えていく取り組みです。5種類の「心の選択」を呈示します。
これらの「選択」は、自分が置かれた外部状況がどんなであろうと、必ず存在する選択肢です。なぜならこれは脳の思考メカニズムにある選択肢だからです。
思考法をこれに切り替える努力をする一方、それに合わない自動感情は否定せず心にしまった上で、感情へのより専門的取り組みへと進みます。
4 人生再建への心理学と行動学 失われた自己の人生を再建するための具体的ノウハウです。外面行動については一貫して建設的なものを、内面感情については、人間の深い情動の世界を知り、自らをそこに導くという方向性を理解します。
 4.1 建設的行動学
 4.1.1 怒りへの対処 4.1.2 建設的対人行動 4.1.3 仕事をうまくこなす
「感情と行動の分離」という、感情への対処の大原則の上で、まず外面行動は自分の幸福と成長とり利にかなった建設的なものだけを行うよう努力します。それにふさわしい、人間の歴史の叡智による行動学があります。これは比較的短期の習得課題です。これにより、この社会を生きる上での汎用的な自信を育てることができ、より長い道のりとなる内面感情への取り組みが支えられ、よりスムーズに進めることができます。
 4.2 人生再建への心理学
 4.2.1 自信と自己評価 4.2.2 心の成長と愛 4.2.3 人生の望みへ向かう (1) 人生の価値とは何か
人生で重要な「自信」「愛」とは何であるのか。その深い心理学を学びます。心の成長への取り組みとは、単なる癒しでも、「心の持ちようを変える」ことではありません。「人生」という人間の本性的な視野をないがしろにせず、人生における自己の望みへと恐れることなく向かう勇気が、これから始まる内面感情への長い取り組みの原動力になります。
これを達成したゴールの姿そのものは、もはや自分に押し付ける目標ではありません。感情は解き放たれ自由に流れるものになります。これら人生の目標を知ることは、感情を規制するのではなく、流れ移る感情の行き先を導くための、人生の叡智という理性です。
 
V 感情と人格の改善へのアプローチ 「感情と行動の分離」という大原則によって、心にしまい一切不問とした感情と自己の人格について、いよいよ改善取り組みの実践を行います。
5 感情改善の基礎 感情と人格の改善取り組みの土台となるものです。感情と行動を分離し、外面問題で揺らぎ過ぎるのを防ぎ、悪感情の基本的軽減法を習得し、内面にじっくり取り組める姿勢を確立します。
 5.1 感情と行動の分離
これが心を健康化し成長させるための大原則です。決して、感情と行動や物事の解釈を無理に一致させようとはしないで、感情と行動は分けて考えます。内面感情の良し悪しは一切不問とし、その代わり外面行動は建設的なものだけを心がけます。あらゆる自分の感情を許すことです。
 5.2 悪感情の基本的軽減法
 5.2.1 苦悩を痛みへと戻す 5.2.2 感情による決め付けの解除 5.2.3 悪感情への耐性をつける
悪感情は一般的に、比較的単純な悪循環により膨張します。まずはこれを解除することを学びます。
6 感情分析の技法 自動的に起きる不健康な感情を解きほぐし、より健康な感情へと根元から改善するための専門心理学的な技術です。
 6.1 感情分析とは何か
 6.2 感情分析の進め方
 6.3 感情の意味とメカニズムを知る
 6.4 感情分析の成果と前進
7 心の手術 感情分析が前進すると、やがて人格の根底で問題を持続させていた根源構造に行き着きます。これに直面することは非常に辛い感情体験となり、表面的にはむしろ悪化に見える局面になります。
しかしこれまでの取り組みによって内面の力は増し、この局面を経ることで、人間の成育履歴を通して蓄積されたストレスの膿が除去され、心の治癒力と成長力が開放されます。この恩恵は多少時間を経て現れます。それは脳の構造そのものが変化したかと思われるほどの、「生を喜ぶ」心の機能の回復となります。人格の根本治癒は、これによるものです。
 7.1 心理障害の構造の理解
 7.2 心理障害の根源構造の克服
 7.2.1 葛藤への直面と克服 7.2.2 感情の膿の克服 7.2.3 自己操縦心性の克服 7.2.4 残存愛情要求の克服


改訂履歴

2005.5.8 全体の項目に解説文を掲載しました。現時点での整理結果です。感情分析などの詳細は、さらに原稿整理を進めた後に掲載する予定です。
2005.5.7 最初の出版本に向け、全面的に再整理開始しました。最初のバージョンはこちら

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