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ハイブリッド人生心理学による心の治癒成長への道
−歩みの中で迷わないために−

 ハイブリッド人生心理学の基本コンセプトは、「心の成長」です。
 そしてそのために、「2面を同時に見る」ということを、とても重視しています。なぜなら、それが心を成長させる、「心の使い方」だからです。

2面を同時に見る
 この言葉をぜひ座右の銘にして下さい。2面を同時に見て、そこに1つの本質を感じ取った時、心は成長するのです。それが心を成長させる、「心の使い方」なのです。だから「ハイブリッド」です。
 感情行動を無理に一致させようとせず、別のものとする。しかしその片面だけを見るのではなく、両面を尊重する。目標を知ると同時に、不完全性を受け入れる。全てに当てはまります。

 1面だけに捉われないことが大切です。そのためハイブリッド人生心理学では、心の成長に必要な事柄を全て取り上げて整理しています。このためハイブリッドの知識領域は広範囲で多岐にわたります。
 それでも進め方は、心の問題の内容の違いにかかわらず、同じ進め方です。それをここで説明します。
 これもやはり最も基本的な2面から始まります。すべてはその2面が示す方向の上にあります。
 ひとつの面は、「目指す方向を知る」ことです。それを歩むことです。そしてもうひとつは、私たち人間は、その目指す方向において不完全な存在であるということです。それを受け入れることです。
 この大きな2面から成る、ハイブリッド人生心理学の進め方を以下に示しましょう。

目指す目標を知る
心の成長
 心の成長は、自己の人生における望みへと向かって生きることで生まれます。
 ・自分の人生を生きることが大切です。人の心の中で価値ある存在になろうとしても、人の心の中に居場所を探そうとしても、そこに心の成長はありません。
 ・「合理性の追求」がもう一つの指針になります。心理障害の中で「自分の望み」さえ見失なわれても、自らの心の内部の合理性を追及した時、心に変化が起きます。それはやがて置き去りにされていた「人生における望み」へとその人を還すでしょう。他者との比較競争ではない、自分自身との闘いにおけるこの「合理的知性の勝利」を目指すことができます。

心理障害の治癒
 心理障害は、自らの望みへ向かって生きることを妨げるものとして、取り組みます。
 ・これは「心理障害を治す」取り組みではありません。人生の望みを見出し、そこに向かう取り組みです。心理障害の治癒は結果としてついてくるものです。それが結果としてついてくることを目指す試みでさえもありません。
 ・「心理障害を治す」ことだけに意識が向いた時、心理障害は治らないものです。これは沢山の心理療法が共通して言っていることです。この轍に留意しましょう。



目指すものにおいて不完全であることを受け入れる
心を縛るのをやめる
 「心がこうあらねば」と自分に圧力を加えた時、人は自分自身になることができなくなります。
 ・これは「自分の人生を生きる」という目標においてまさにそうなります。「自分の人生を生きている自分でなきゃ」と自分に圧力を加えた時、まさにそうなることができなくなります。
 ・「自分の心がこうでなきゃ」と自分に圧力を加えた時、そうなることを妨げる他人や自分自身、そして人生さえもが、現実にそうである以上に、自分に悪意があるかのように感じてしまいます。
心を変えようとする努力を放棄する
 ハイブリッド心理学の取り組みをやめることが、時にハイブリッド心理学の取り組みとなります。
 ・ハイブリッド心理学は人生の心理学です。しかしハイブリッド心理学の中に、人生はありません。人生そのものの中にしかないのです。いずれ自分の心にじっと見入るのをやめて、人生そのものに向かうことが大切です。心理障害が「治ってから」人生が始まると考える人もいるかもしれません。そうではありません。「治らなくても」自分の人生を生きようとする意志によって、心が成長するのです。
 ・それがいつかは、あなたの心が知っています。人生を生きる「生」は、ハイブリッド心理学が提供するものではなく、あなたの心の中にあります。それを開放することです。

喪失を受け入れる
 幼少期から受け入れないまま置き去りにした喪失を、痛み直し看取る時が必ず訪れます。
 ・自分自身への圧力の中で、人は人生に不可避の喪失の痛みを置き去りにしたままストレスとして蓄積します。これが心理障害のメカニズムです。
 ・この取り組みは、やがて置き去りにした喪失を痛み直し、看取る時を必ず通ります。喪失を受け入れた時、心はそれを自ら癒す自然治癒力を持っているのです。
 ・心の自然治癒力を心理障害メカニズムが妨げる仕組みはとても複雑です。ハイブリッド心理学は、この理解と克服のために、平易な言葉での説明から、専門心理学としての理論構築まで、様々な視点で取り組んで行きます。


2005.10.14


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