ハイブリッド心理療法とは |
3.進め方の概要
ハイブリッド心理療法では、心理障害の症状を生み出す「心理過程」に着目してます。
それは自分自身への態度や、他人への態度、そして人生への態度といった、「生きる姿勢」の全てです。
そして、心理障害を生み出す生き方と、その対極にある心理的健康を促す生き方の典型パターンを見出しています。
ハイブリッド心理療法では、この前者を後者へと、根本的全面的に切り換えるという取り組みを行います。
心理障害を生み出す生き方とは、善悪評価と「べき」に生きる「ひとりよがり型」の生き方です。
心理的健康を促す生き方としてこの療法で採用するのが、自由と自発的欲求に生きる「自己建設型」の生き方です。
ただし、この「ひとりよがり型の生き方」と「自己建設型の生き方」は、心理障害や心の健康そのものではありません。
心理障害や心の健康が意識に現われる典型パターンに過ぎません。
心理障害と心の健康は、下の図に示す、「感情の膿と自己操縦心性」および「真の自己」に対応します。
(参照:理論編2.3.2 歪んだ人格構造モデル)
これらは意識の土台であり、言葉以前の感情エネルギーの源泉のようなものです。
これは説教とか意識的努力では、変えることは不可能です。
ハイブリッド心理療法がターゲットにするのは、「感情の膿と自己操縦心性」を弱化除去し、「真の自己」の自然成長力を開放することです。
このため、下の図に示すように、「理性領域」と「感情領域」にそれぞれ全く異なるアプローチを行う、2段階の進め方を行います。
1)生きる姿勢の学習..まず頭で、「自己建設型」の生き方を学習します。
2)感情分析..感情の膿と自己操縦心性への取り組みを行います。こちらが実質的な治療過程になります。