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ハイブリッド人生心理学 概説 まえがき
1.はじめに・4つの話の領域
2.心の問題とその克服ゴール
3.取り組み実践
4.心の成長変化
 (1) (2) (3) (4)
5.歩みの道のり
 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)

5.歩みの道のり
 (1)5つの「成長の段階」

5つの「成長の段階」  「旅立ち前」から「学び」までの段階-1「学び」と向き合い 前進を成すための2つの心の基盤 「自分自身への論理的思考」 「前に進めないケース」の原因 歩みの始まり 「最初の一歩」から「自らによる成長の歩み」へ) 前進への基盤となる意識過程 一覧表  「前に進めないケース」の特徴 一覧表

5つの「成長の段階」

私たちは、心の成長歩みの道のりを、ゴールからスタートへと遡って見ることで、その全体が、
・変化の流れ、と
・その変化が生まれる前提条件が揃う流れ
という前後関係において、いくつかの重要な節目を持つ「成長の段階」構成されるのを理解することができます。
つまりそれは次のようなものです。

ハイブリッド心理学が考える、心の成長原動力となるものとして最も大きいのは、「否定価値の放棄」によって大きく開放される「望み」に向かって、全てを尽くして生きる人生の日々そのものであり、さらには、そこで「魂の望み」出会い、向き合う時間です。これは心の成長変化流れについて展開した前章において、「「心の業の捨て去り」と「魂の望みの感情」による心の成長の本格的前進」で説明したものです。

そこから、心の成長歩みの道のりゴールに至る部分の、2つの成長段階を認めることができます。
まず始まるのは、「否定価値の放棄」によって大きく開放される「望み」に向かって、それまでに培った建設的行動法大きく開花し、特に外面的な豊かさにおいて大きく前進変化が成される段階です。これを、「変化」段階もしくは時期と呼べるでしょう。
に、そこでやはり不可避に出会う自己の限界や壁に際し、「魂の望み」出会い「魂の望み」この人間さらなる内面の豊かさへの成長導くようにもなる段階です。内面の変化は、再び外面の変化を導きもするでしょう。いずれにせよこれがゴールへと至る段階です。これを「円熟」段階もしくは時期と呼べるでしょう。

その2つの段階生まれるための条件は、「否定価値の放棄」が、できるだけ明瞭成されることです。従って、「否定価値の放棄」至るまでの、至るための、段階が必要になります。
「否定価値の放棄」をもって、この心理学「取り組み実践」「ひとまずの習得達成目標」完了です。「取り組み実践」「習得」が、大方完了したということです。
大きな心の成長変化は、主に「取り組み実践」の習得の中でよりも、「取り組み実践」の習得が完了した後に始まるということです。この大きな流れを、ぜひ心に入れておいて下さい。
そのことは「心の成長変化の概要図」でも表現していますので確認頂ければと思います。「成長」「治癒」ある程度前進する「否定価値の放棄」が訪れ、引き続き「成長」「治癒」、さらに「浄化」「成熟」そして「超越」という心の成長真髄部分始まる、というものです。

一方「否定価値の放棄」至るまで流れも、決して一本調子一つの段階だけがあるのではなく、かなり様相の異なる、3つの段階を認めることができます。
それは、「否定価値の放棄」に向かって順調に前進できるようになる段階と、それが全くできない段階、つまり「未熟」「病み」の中に固定化されそのもがいているような段階、そして後者から前者へと抜け出す段階、この3つです。
これを次のように呼べると思っています。前の方から、「旅立ち前」段階もしくは時期「旅立ち」段階もしくは時期「学び」段階もしくは時期と。
「学び」とはもちろん、「取り組み実践」学びそのものであり、「否定価値の放棄」までの学びです。学び進めることがまだほとんどできない段階があり、学び進めることができる状態への変化の段階があり、学び前進力をもって進む段階がある、ということになります。

つごう、5つ段階もしくは時期があるということになります。
ここで「段階」もしくは「時期」という言葉は、あまり大きな違いがあるものではありませんが、心理学的その人の状況を見る場合「段階」本人人生の中で主観的に感じ取る場合「時期」という言葉のニュアンスで適宜使い分けたいと思います。
次のように、5つ段階もしくは時期があるということです。それぞれに意識面の主題と言えるものを添えて、まず列記しておきましょう。

1.「旅立ち前」段階主題は、「未熟と病みの中に閉ざされた心」です。
2.「旅立ち」段階主題は、「心の依存から自立へ」です。
3.「学び」段階主題は、「否定価値の放棄への前進」です。
4.「変化」段階主題は、「建設的行動法の開花」です。
5.「円熟」段階主題は、「魂に導かれる歩み」です。
それぞれのポイント簡潔に説明していきましょう。


「旅立ち前」から「学び」までの段階-1

ハイブリッド心理学学び取り組む時、まず何が目標になるのかは、極めて明確です。それは、「否定価値の放棄」選択心の視野にとらえ、その選択成すことです。これがハイブリッド心理学取り組み実践始めるからには掲げたい目標です。
その目標に向かうために、ハイブリッド心理学学びに取り組むそれぞれの人が、今何を取り組み課題として意識するのが良いのかは、外部からはかなり明確に分かります。つまり「否定価値の放棄」までの道筋はかなり明瞭であり、必要となる通り道最初のところから見ていき、その人まだ自分のものとすることができていないものがあれが、その最初のものが、今現在の取り組み目標の主題になるということです。
それを自分にものにできないまま、それを飛ばして先のものを課題として取り組もうしても、それはできない、ということです。家を建てることに喩えるならば、土台から支柱、そして内装外装へという順序において、前工程しっかりできていないまま後の作業をした場合、前工程やり直すと同時にゼロから再び進める必要がある、というように。

・「学び」と向き合い
そうしたものとして「今何が自分の課題か」感じ取るためにも、「「取り組み実践」の3ステップ」で示した検討手順、中でも後ろ2つの、「具体的場面での学び」正確な内容知ること、そしてそれへの「向き合い」ステップ重要になります。
「向き合い」には、主に2つの面があります。「学び」内容、特に「建設的な行動法と価値観」について、自分がどう理解納得できるかについての向き合い。そして具体的応用場面において、「心の健康と成長に向かい得る行動」いくつかの選択肢に対し、どのように合う、もしくは合わない感情自分の中にあるのかについての向き合い後者が、より複雑感情の意味明瞭化や、埋もれていた感情、さらには「魂の望み」感情への向き合いといった、この心理学実践「感情分析」と呼ぶ、精緻な自己分析にもつながっていきます。

そこで「建設的な行動法と価値観」への理解納得に応じた進み先を、「「向き合い」が導く3つの進み先」で次のように指摘しました。
1)理解納得できない場合「感情を鵜呑みにしない」といった根本に取り組み、再び「向き合い」へ。
2)理解納得でき、それに沿った行動の選択可能であれば、行動前進へ。
3)理解納得できながらも、行動の選択不可能な場合、「治癒」「浄化」「超越」さらには「心の死と再生」といった心の奥底仕組みについての理解を踏まえ、より深い自己の内面へと向き合う

「成長の段階」をそれにつき合わせ見るならば、まず言えるのは、上記1)の、建設的な行動法と価値観への理解納得がほとんど、もしくはあまりできないケース「旅立ち前」におそよ該当する、というものになります。
一方上記2)と3)の、納得理解ができた上で、行動の選択可能であるケース不可能であるケースというのは、単純に「成長の段階」その後の順番に対応するのではなく、「旅立ち」段階以降全ての段階に渡り、交互に現われるという様相になると理解するのが良いかと思います。
つまりまず、建設的な行動法と価値観への視野心に生まれ始めながらも、まだほとんどその方向の行動ができない状態から、その最初の行動へと第一歩を踏み出すのが、「旅立ち」段階です。
そこから「学び」段階は、行動可能模索することに向かうものになるでしょう。そしてそこで地道に得る「成長」を足場に「否定価値の放棄」選択成すことで、「取り組み実践」外面向けおよび内面向け実践の仕方についてはおおよそ習得完了です。この大きな節目で、「望み」心の底から大きく開放されます。
建設的な行動法が、大きく開花します。「変化」段階です。そこからある程度の期間、主に外面における行動の幅の拡大と豊かさ向かう時期訪れることが考えられます。
その全て望み通りに行けば無論それに越したことはありません。でもそんなことはないでしょう。必ず外面の不運不遇自身の限界による躓きが訪れるでしょう。それを契機に、いよいよ真の心の成長と豊かさへの見えてくるのです。そうして私たちは「円熟」段階へと至ることになります。

・前進を成すための2つの心の基盤
「成長の段階」は、そのように「向き合い」共に前進するものである一方、「向き合い」前進を生む原動力もしくは心の基盤となるものは何かを、ハイブリッド心理学から2つ言うことができます。
「自分自身への論理的思考」「心の依存から自立への転換」です。

つまりハイブリッド心理学からの「学び」内容「「学び」の主要テーマ」でざっと説明したようなものとしてあるとして、そうした「学び」向き合い、前進を成すための心の基盤が、その2つだということです。
「自分自身への論理的思考」・・・日常における「思考」を、小学校で習う科学の知識のような、「本当に確かなこと」のしっかりとした論理的つながり行うものへと、100パーセントのレベル徹底させる。これが「つながっていく積み重ね」成長向かうための心の基盤となる。
「心の依存から自立への転換」 ・・・自分「与えられ守られるべき存在」とだけ感じる「依存の心(乳歯の心)から、自分「自らの足で立って前に歩く存在」と感じる「自立の心(永久歯の心)への転換
人間
においてこの転換完成はなく、自らの心の中にその2つを見ることができる状態への前進足場に、自己外面内面、そして「望み」の向き合いに際して、受け身依存感じ取るものから、自己能動感じ取るものへと、意識の転換を行う。
これによって、その「2つの心」狭間からさらに「魂」「命」姿を現すとも言えるようなものとして、「つながりを超えた飛躍」成長向かうための心の基盤となる。

・「自分自身への論理的思考」
取り組み実践と、それによる成長歩み一貫として支える「感情と行動の分離」基本姿勢は、「「学び」の主要テーマ 1.「感情と行動の分離」」でも述べた通り、「動揺する感情を克服したいのなら感情を鵜呑みに考えない」という自明の原則からスタートします。
では「感情を鵜呑みにしない思考」とは何かと言えば、まずはこの「自分自身への論理的思考」だということです。学校の試験解くため、あるいは他人を論破するためのものである以前に、自分自身の心の健康と成長、そして人生の豊かさと幸福のために、自分にとって「本当に確かなもの」を見る目を持って、何がなぜどのようになるという論理的思考で、自分の生きるこの世界を、そして自分自身を知り、どのように行動し生きることが合理的なのかを、考える論理的思考持つことです。
それが、「感情と行動の分離」姿勢において、外面内面双方向けるものになるのです。私たちの生きるこの世界と、私たち自身の心と人生の、「真実」目を向けるために。

「感情を鵜呑みにしない思考」とは決して「感情を無視した思考」ではないのは、「「感情を鵜呑みに考えない」という全てのスタート」でも説明した通りです。それは「今までの感情に流されることのない、新たな感情の芽を芯とする、新たな心を働かせ始める」ということなのだ、と。
ではその「今までの感情に流されることのない新たな感情の芽」とはどんなものかを言えば、まさにこの2つ心の基盤から、芽生えるものだということです。

「自分自身への論理的思考」によって芽生える「今までの感情に流されない新たな感情」とは、そのエッセンスを言うならば、「自分にとって本当に確かなもの」を選ぶことが生み出す、内面の強さと前進の感覚、感情だと言えるでしょう。
「自分にとって本当に確かなものを選ぶ」という「選択」を人生で成すごとに、私たちは一歩「成長」するのです。そしてその「成長」が、今まではその中で流されたであろう「感情」がこれからどう湧き出るかの全体を、少しづつ変えていくのです。惑い動揺より少ないものへと。そして再び、そこから「自分にとって本当に確かなものを選ぶ」という新たな一歩向かう「成長」とは、最後までこの繰り返しです。

『取り組み実践詳説』では、この「自分にとって本当に確かなこと」積み重ねを行う「自分自身への論理的思考」起点として始まる「取り組み実践」意識過程を、詳しく解説していますので、本格的な取り組みをなさろうとするのであれば、ぜひ歩みの中で継続的熟読頂ければと思います。
主な意識過程を、ごく手短ににまとめておきましょう。重要なのは、ここに示すに、前の意識過程足場となって次の意識過程可能になる、という展開の流れであることです。

 前進への基盤となる意識過程 一覧表
意識過程 要点 対比(未熟と病み)
自分自身への
 論理的思考
「本当に確かなこと」
 の論理的つながりで思考する
気分感情で話を
 つなげる
現実を見る目
「こう感じる」ものとは異なる
 可能性
を持つものとして
 「現実」を見る姿勢 
「こんなもの」と感じる
 「解釈」を「現実」だと
 思い込む姿勢
2面の真摯さ 「本当に確かなこと」
 見極める目を心の外界現実と
 内面感情の双方に向ける
「気持ち」ばかりを考える
 姿勢・精神論
内面感情の軽視切捨て
目的思考 「善悪」「評価」を
 「何のためには」という
 「目的」から考える思考
「何が問題・課題・望みか」から
 ものごとに取り組む姿勢
「目的」を意識することの
 ない「善悪」「評価」
 の思考
「学び」の姿勢 問題課題とそれへの「学び」
 自ら全般的に把握し、どれが
 真実自分の考えを持つ姿勢
悩みを人に伝え、
 どう言われるか
 待つだけの姿勢
「気持ちが楽になれる」
 なら納得するという姿勢
全てを尽くして
 「望み」に向かう姿勢
人生で重要なのは「望み」へと
 いかに全力を尽くせるか
だという
 人生観の下で生きる姿勢
左記以外のさまざま
 生き方姿勢
現実(今)を
  生きる姿勢
「ありのままの現実」という「今」
  に向かって生きる自分の
  「命」を感じ取る姿勢
「こうなれれば」という
 自意識を基準にして
 感じ取るだけの
自意識(自己像)を
 生きる姿勢
「成長の望み」 上記全てを通して実際の「成長」
 を体験
することを足場に、
 動揺場面において
 「自分が今向かうべき成長」
 感じ取り、それを望む姿勢
実際の「成長」を
 知らないまま、
「成長できた自分」
 という結果
ばかり
 求める姿勢

このに示される展開を見ることで、次のことがお分かりかと思います。
つまり「外面行動は建設的なもののみ行い、内面感情はただ流し理解する」という「感情と行動の分離」、そしてその両輪を携え「全てを尽くして望みに向う」という、ハイブリッド心理学取り組み実践根幹姿勢は、「自分にとって本当に確かなものを選ぶ」という「自分自身への論理的思考」基盤に、人生の生き方についての、最も基礎的な姿勢における「選択」積み上げたものなのだと。
その「選択」とは、「現実」の見方であり、心の外面と内面双方に目を向けることであり、自ら学ぶ姿勢を持つことであり、人生とは「望み」叶えられる結果ではなく、「望み」に向かって全てを尽くすこと自体にあるという人生観選択することであり、それによる実際「成長の体験」足場に、「成長の望み」向き合うことなのだ、と。
「感情と行動の分離」の基本姿勢、そして「全てを尽くして望みに向う」という根幹姿勢からして、「言われた通りにしてみる」というレベルで意味のあるものではないことが、お分かりかと思います。
取り組み実践のその最初の基礎骨組み支柱から、「自分自身への論理的思考」という原点から、積み上げをしていくものだということです。その上血肉とし内装外装として築いていくのが、「「学び」の主要テーマ」だということです。

・「前に進めないケース」の原因
ならば、ハイブリッド心理学からは「旅立ち前の段階」分類される、ほとんど前に進めないままでいるケースにおいて、がまず課題と考えられるかは、明白です。
「自分自身への論理的思考」です。人生で、自分にとって本当に確かなものを、自分自身で考え判断し、自らそれに向かうという、全ての前進のための一番最初の基礎が、できていないのです。

一方メール相談など実際の場面においては、ほとんど前に進めないままでいる原因として、ただ「自分自身への論理的思考」できていないというよりも、自ら積極的に心の健康と成長とは逆に向き、心の健康と成長を自らブロックするような姿勢と思考見られるのが大抵です。
そうした「前に進めないケース」特徴を、ざっと列記したのが下のです。特徴をまず簡潔に描写し、加えてそれを一言で呼び表す分類の言葉と、基本的対処を、キーワードとして記しておきましょう。

 「前に進めないケース」の特徴 一覧表
前に進めない原因状況 分類 対処
姿勢と思考の基本傾向における問題
・「自分で考える」ということができず
  思考人に頼る
  自身ではただ感情に流される
・受け身の思考と感情への終始
・内面感情のことばかりを思考する
・人の話論理的に聞くが、
  自分では感情で決めつける思考
  
(現代人の基本的思考傾向)
「受け身
  依存」

「感情依存」
心の依存
  から自立
  への転換

自分自身への
  論理的思考
・「善悪」「評価」の思考への終始
・「当てはめ」「枠はめ」による生き方
「善悪・
  評価・
  枠はめ」
目的思考
・自身への建前思考への終始
時と場合で全く別の思考
「本心の
  見失い」
最初の
「成長の望み」
  へ
自身の内面を映し出した
  他人イメージを疑えない
「病んだ
  空想」
現実を
  見る目
人生と幸福を「今の心」
  中だけで思考
未熟の固定 心の成長の
  道のり理解
心理学的理解と取り組みアプローチの主な誤り
・「社会で生きるスキル」扱わないまま心を良くしようとする
取り組みによって感情が直接即効的に良くなることを期待する
・内面感情への向き合いばかり偏る
成長成熟できた結果ばかり自分に当てはめようとする
・感情が良くなることをもって納得しようとする
・幼少期の体験が自分を作るという考え
  マイナス感情の原因が過去にある。親のせい
  「今これから」の自分のあり方に取り組むことなく、
  過去の分析などによって自己否定感情の解消を試みる
・人との関係が自分を作るという考え
  人にどう接することができるかに心が虜になり、
  ありのままの自分の感情に向き合えない。
取り組み実践
 の過程
 への理解

・歩みの始まり
それらをざっと眺めるならば、そこで起きているのは、に述べた、「自分自身への論理的思考」基盤に、人生の生き方最も基礎的な姿勢「選択」積み上げていくというのとは、まさに逆のことであるのがお分かりかと思います。
つまりそれは、基本的感情で決めつける思考で、人生の生き方最も基礎的な姿勢において、対照的なものへと流れてしまっているのです。「自分自身にとって本当に確かなこと」積み上げるのではなく「人に言われたこと」を自分の中に取り込み「人の目」にとってそうらしいことを目印にし、揺れ動く感情が映し出す「空想」「現実」だと思い込み惑い全てを尽くして自らの「望み」に向かうのではなく「人の目」と「空想」に映し出された「善悪」「評価」自分を縛って生きる、という生き方へと。
そうして「人生」という大海原に出ようとする「自分」というを、自分自身で舵取りできないまま潮の流れ流され、やがて流れ着くのが、自らが抱いた理想に満たないものを責め叩くことに価値を感じる衝動へと、自らがその権化となるかのように自らを責め叩いて生きるという、「否定価値」この心理学が呼ぶ閉ざされた海域なのです。
それが、私たちがこの現代社会に生まれてまず身につける、「生き方」なのです。

私たちの歩みが、そこから始まります。
私たちがまず成すべきことは明確です。「自分」という船の舵をしっかりと自分自身の手取り戻し「否定価値」この心理学が呼ぶ、その閉ざされた海域抜け出すのです。その時こそ本当に、私たちのに、「人生」という広大な海原広がります。
「否定価値の放棄」までの「「学び」の主要テーマ」内容が、そのための海図としてある、ということになるでしょう。

そころがそこでしばしばおかしなこと起き始めます。そうした「新しい生き方」のための「学び」再び今までと何ら変わりのない、「人の言うこと」を自分の中に取り込む姿勢受け取られ「そうできなければ駄目なのですね」と、「善悪」「評価」として自分を縛り責めるためのものとして抱かれるのです。あるいは、ハイブリッド心理学読んで感銘を受け、自分は変われた頭では考えながら、「人の目」にすると、再び思考感情全て今までと同じもの戻ってしまう。そしてハイブリッド心理学言う通りにできない自分は駄目だと、自分を責める
そこで何が起きているのかは、「自分」という船の舵を自分自身で取って進むという今述べた喩えで、引き続き分かりやすいと思います。実はそもそも「自分」という船の舵を自分自身でしっかりと握り、自分で舵を回して進路を変えるということが本当にどういうことなのかが、分かっていないのです。全て「そうするつもり」「そうしているつもり」という、浅い建前思考で。そうして「自分」というしっかりと握っていないまま、上の空手を回し、偶然吹いて少し動いたら、自分は変われたと考える。それが海図に示されるような、大きな距離の移動だと錯覚したまま。実際海図のレベルにおいては全く同じ場所で。

まあこれはちょっと辛らつな喩え表現かも知れませんが、何が必要なのか理解には役立つでしょう。「自分」という船の舵を自分自身でしっかりと握り、自分で舵を回して進路を変えるということが本当にどういうことなのかということそのものを、まずしっかりと体得しなければならないということです。
『取り組み実践詳説』で詳しく解説し、上の「前進への基盤となる意識過程 一覧表」にまとめたような意識過程が、そのための、「自分」という操縦説明書該当すると言えるでしょう。「前に進めないケースの特徴 一覧表」の方は、「ありがちな誤り べからず集」だというわけです。

・「最初の一歩」から「自らによる成長の歩み」へ
それを踏まえて、「取り組み実践」歩みの流れを再び説明しましょう。
それはまずは2つ段階になると理解頂くと良いでしょう。「最初の一歩」「自らによる成長の歩み」です。

「最初の一歩」は、読んで感銘受けて、もしくはメール相談「読者広場」掲示板でのアドバイスを受けて、変われた部分です。
つまりそこでは、「「取り組み実践」の3ステップ」で示した検討手順での2つ目「学び」が、ハイブリッド心理学から、もしくは島野から提示され、それに感銘もしくは納得理解を感じて、そのまま、その通りにできる等の変化得られるものです。3つ目「向き合い」についてはあまり手間をかけることなく。これが「最初の一歩」です。

それに対して、「自らによる成長の歩み」は、「今の自分に必要な学びはこれか」と、「学び」の内容を自分自身で「設定」し、それについて自身ではどう考えるか「自分の考えを問う」ことから行うというのものです。つまり「学び」提示から、それへの納得理解を問う「向き合い」、そしてそれを踏まえての自分の方向性選択という一連のステップを、全て自己独力で行うものです。もちろん「自分で設定した学び」確かさやそこにおける詳細ポイント確認のためにアドバイス受けることも、ここでも大いに有用なものとして。これが「自らによる成長の歩み」です。

誰でも、まずは読んだりアドバイスを受けたりしての感銘変化できる部分があるでしょう。その範囲にはかなりの個人差があるとして。しかしいずれそれだけでは前に進めなくなります。やはり自分は・・同じ問題動揺に戻ったり、あるいは多少違う問題に出会ったりと。
その時はもう、進め方「自らによる成長の歩み」へと変えるべきです。
理由2つあります。その進め方しないと、まず言って人生の長さ出会う問題の幅広さに対して、追いつけなくなるからです。それはまるで、教室先生に当てられた問題だけ勉強して、全く勉強しないというかのように。
もう一つはさらに本質的なことです。その進め方しないと、自分の生き方を本当に変えるという「選択」強さと深さを、欠くのです。それがもらたす結果は、今「自分という船の操縦」喩えた通りです。自分海図の通りに進んでいるつもりと考えながら、実際同じ場所ぐるぐる回っているだけと・・。
なぜそうなるのか。お分かりかと思います。根底において「人に言われた通りに」という姿勢のままだからです。に吹かれてちょっと移動したのを、何かの方向への前進だと勘違いして、やがて元のままであるのが分かるという姿・・。
それを、「まず自分の考えを問う」という姿勢および進め方進み方へと、切り替えるのです。

加えて言えば、「最初の一歩」段階変化できる部分というのは、実はその人の人生において、その変化を成す力すでに準備されていたものが、ハイブリッド心理学最初の学びによって引き出されたものだと、ハイブリッド心理学では考えています。
それに対し、「自らによる成長の歩み」は、新たな変化への、新たな力の準備から行うものなのだと。
この点で、本当に「取り組み実践」と呼んでいるものは、これを指します。この点で、メール相談相談投稿アドバイスは、「取り組み実践」ではありません。そこでのアドバイス材料として活用するとして、「学びの設定」から自己独力で行うものが、本当の「取り組み実践」です。
ハイブリッド心理学では、この自己独力での「取り組み実践」こそを、心の成長への実践として重視しています。島野自身の活動としても、まず学びの整理執筆優先し、カウンセリングルームセミナー設けてはいないのは、そのように自己独力取り組み重視していからであり、かつ真の心の成長のための実践は、日常生活人生実際の場で行う以外においてはないと考えているからです。



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2014.6.13

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