1.基本的な考え方 2.「感情と行動の分離」の基本姿勢 3.心の仕組み 4.「変われない人」と 「変われそうで戻ってしまう人」 5.「変わっていける人」と「心の豊かな人」 6.ハイブリッド心理学の「取り組み実践」 |
4.「変われない人」と「変われそうで戻ってしまう人」 |
心のあり方の「パターン1」は、「変われない人」です。 それは下の図のように、「乳歯の心」だけで生きているという印象の方です。まるで「人生」そのものに対してストライキを起こし、「乳歯の心」の中に居座りを決め込んでしまったかのように。 「永久歯の心」は働いておらず、目を閉じ口を閉ざしてしまっているかのようにです。 自分の「意志」というものを持たず、また実際「意志というものが分からない」という言葉をこのタイプの方からよく聞きます。 その結果、目の前の相手にどう見られどう言われるかによって、どう愛と幸福が与えられるかが全てになってしまっている心の状態です。そして思い通りに与えられないことへの「怒り」「憎しみ」「嫉妬」そして「恐怖」といった悪感情と心身ストレスの中で生き続ける形になってしまいます。 なぜこのようになるのかの大きな要因として、「自分では何もできない」「自分では何も分からない」といった、自らの可能性を限定し否定する思考の裏で、「大人になること」、さらには自分から向上成長することを否定するような何かに、自尊心(プライド)を置いてしまっているという印象を私は感じています。 「子供を否定するのが大人」といった皮相な思考を抜け出し、自分から向上成長していくことへの喜びや楽しみを、どう視野に捉えるかがポイントになると言えそうです。 |
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一方「パターン2」の「変われそうだが戻ってしまう人」とは、下の図のように、「永久歯の心」は働いており、自分なりの「意志」は持つのだが、それをうまく使えていないという印象の方です。 そのため「変われない人」に比べて外見印象的にはかなりしっかりしており、実際平素は比較的心が安定し得ているのですが、困難な場面には対処できず、すっかり「変われない人」と同じ感情動揺に戻ってしまう方です。 これはひとえに、「意志」があってもそれを相変わらずの「乳歯の心」の世界でしか使おうとできていないことにあります。「人の目」「人の気持ち」という狭い視野を相手にし、「正しければ怒って当然」と考え、最後は力づくの怒りに流れるしかないような、知恵を欠いた通り一辺倒の道徳思考で行動しているのが原因です。 そして何よりも、「気持ち」というものを、「人に受けとめてもらうもの」「受けとめてあげるもの」と位置づけてしまうことが、心の成長と豊かさへの最大のネックになっているものと言えるでしょう。「人」というものを、全て「乳歯の心」でいるものと考えているのです。 その結果、「辛さを思いやる」ことばかりに目が向き、心がひたすら過去向き、後ろ向きになってしまう傾向があり、自分の気持ちを自分で受けとめ自ら前に進むという、心がより成長し豊かさに向かう世界を、理解しないままになってしまいます。またそうした前向き未来向きの心の人々と共感を持つことが難しくなってしまいます。 まずは「気持ちをなだめる」という一時しのぎの行動法を超えた、より長い目そしてより広い視野から、ものごとを本当の向上解決に導く行動法の知恵を学ぶことが、抜け出しへの最大ポイントと言えるでしょう。 |
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2010.9.4 |