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ハイブリッド人生心理学 メール相談事例集 はじめに・「取り組み実践」とメール相談
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No.002 視線恐怖および「職場での自分の位置への不安」の克服 アドバイス内容(2)
1回目アドバイス: 「仕事場面」と「道を歩く場面」の問題へのアプローチ概要 2010.10.6(水)

2回目アドバイス 2010.10.16(土)
テーマ: 「仕事のスキルの基本」と「人の空間認知の理解」
メール件名 『「仕事」と「道を歩く場面」への視点』

まずは「仕事のスキル」「道を歩いている場面」の、2つの話ですね^^。

前者知恵知り実践あるのみ。

後者は、まず取り組み糸口つかむことからですね。やがてそれを、に対する姿勢、さらには人生生き方への姿勢という大きな話にまでつなげていければと思っています。


■「仕事のスキル」とは

まず「仕事のスキル」とは何か一言でいえば、それは「有能さ」のことではなく「信頼」を作り出す能力なのだと言えます。

我々社会に出て仕事を始めた若い時いかに自分の有能さを示すかが、仕事の成功なのだと感じて、それに駆られて仕事をします。
しかしそれは大間違いなわけです。

社会の人は、その個人がいかに有能かには、あまり関心持っていません
自分が求めるものが、いつどのような品質提供されるかに、関心持っています

若い未熟という意味でも)人間は、自分が有能であることを何とか示そうと、よく考えれば無理のようなこと「できます」と、良い顔をしようとして、実際になってできない結果、相手に迷惑をかけるということになりがちです。
できることとできないことを把握し、正直正確に伝え、多少の余裕(予備時間という重要な要素)を含めて相手に約束し、それをしっかり守ることが、「信頼」というものを生み出す最善の姿勢です。

それができるのが、「仕事のスキル」です。


■「管理」をする

まず大上段から、やや抽象的哲学的な話を言いましたが、もう少し具体的に言いましょう。

若いと、
・言われた作業をうまくこなす

ことが仕事スキルだと考えます。

それだといくら経っても仕事スキル向上しません
「作業」そのものは、時代の進歩に従ってどんどん変わっていくからです。それを学んできた若い人間に、どんどんその実行者役目奪われていきます。

仕事のスキルを身につけた人間は、「言われた作業をうまくこなす」という意識など過去のことと捨てのようなことに気を配るようになります。
・作業の計画
・作業の実施状況の把握
・作業の結果の確認検査
・作業の報告


「作業」そのものよりも、その前後および全体の、段取り気を配るようになるわけです。
当然そこで、関連するお客さま他の作業者とのコミュニケーションという領域も出てきます。


■実践

ということで、

>私の職業具体的に申しますと、・・以下詳細略にて要点のみ・・ 製造関連管理業務職業であり、

以降お話、そして

>「工事、維持、運用の保安の監督をする」とあるが、はその工事もしたことがないし、「維持、運用」と言っても具体的にイメージが湧かない

については、上述のようなことを、具体的イメージすることから始めるのがいいでしょう。

つまり、まずNo.002さん職場では、その職場仕事を、つまり「案件」を、どのように管理しているのかを知ることからです。

受け持つ物件リスト、そこで受け持つ設備種類装置実施する作業項目実施タイミング、その予定実績お客さまへの報告状況クレーム有無
そうしたものが、「あれはどうなっていたっけ」というが出たら即座に引き出せるようなものが、まずあるか

なければ上の人頭の中という話になります。その場合は、自分でそうした情報を得られるよう、仕組み作り考えることから始めるのがいいでしょう。

自分工事をしなくても、把握すべきことリストアップできるのではと思います。
全くその専門でないが、もしその場に置かれたら、即座にベテランのようにそうしたことを始められると感じます。こうした「仕事のスキル」は、普遍的なんですね。

例えば電気工事であれば、まずリクエストそのまま記すことと、作業うまく行ったことをどのように点検するのかの項目関連する検査(例えば漏電検査)の実施、というところまではすぐ浮かびますね。
これを管理するだけで、もう立派になると思います。

まずはこんなこととして、状況など振り返ってみて頂ければ。今書いたことはもうやったなら、その先何か難問があるのか。
それとも、今書いたような視点なかったということか。なら、即座に始めてみるのがいいでしょう^^。

(続く)

ということで、まずは「仕事のスキル」のための、基本中基本になります。多少言葉補足しながら要点を記しておきましょう。
まずは根本理念「仕事のスキル」とは、「有能さ」ではなく「信頼を生み出す能力」である。
「仕事への姿勢」としては、こう言えるでしょう。「より高い能力発揮」ではなく、まず「役割を果たす」ことです。「能力発揮」は時に、「過ぎたるは及ばざるが如し」という事態をもたらすこともあります。
さらに「役割を超えて、信頼を作り出す」というレベルになって、「仕事のスキル」本物になってきます。

それは「仕事」とは何をすることかという、内容意識とも密接につながっています。
「指示された作業をこなす」ではまだ「仕事のスキル」未満であり、あくまで「作業のスキル」どまりです。「作業の管理」「段取り」「調整」を行えることが、まずは「仕事のスキル」入り口だと言えるでしょう。
それが「良好なコミュニケーション」具体的内容与えるものになります。そこにおける丁寧さ誠実さ、そしてミス防止相手の心配への思いやりといった細かい配慮が、「信頼を作り出す能力」基盤になるものと言えるでしょう。
これらは、一つの仕事場面でしっかりと体得されれば、異なる仕事場面へも幅広く応用可能な、普遍的なスキルになります。

「道を歩く場面」については、1回目アドバイス返信段階で、No.002さんとしては「空想と現実を区別」して「客観的事実を正確に観察」するということができていたので、はそこから一歩進んで「客観的事実についての新しい知恵」移ります。
ここでは、「人の空想認知」というテーマを取り上げています。

(続き)

■道を歩いている場面

もう一つ「道を歩いている場面」については、はっきり、「自己空間領域認知」とでも言えるものの個人差、というものを考える必要があります。

その辺で、はっきり、No.002さん大きな勘違い(^^;)をしておられるように感じます。

まずは僕ならこう感じるというのを言いましょう。

>まず基準ですが、私としては、2人すれ違えるのがやっという程度の幅2m程歩道であれば、大体真ん中を越えて近づいてきたら寄ってきたように感じます。

相談メールをまずプリントして読みながらメモを入れるのを先にやっておきますが、これは思わず「×」と書きました^^;
「人が2人すれ違えるのがやっと」場合、まずすれ違う人間はどうやっても「自分に近づいてくる」と感じるんです。目の錯覚のような話としても。
それをそう感じない程度に歩くとは、逆にかなり意識して端を歩かないと無理だと思います。

まあ僕の感覚で言えば、そうなら「ぶつかりさえしければ不問」ですね。ぶつかったとしてさえ、それが相手の悪意意図とはあまり感じないかも知れません。

それだけ、対向者に配慮して適切な直線を歩くなど、そうそうないと思いますので。

足腰弱い人バランス感覚悪い人考え事して相手に気づかないまま歩く基本的「空間認知」弱い人。そんないくらでもいます。

>実際昨日経験したのは、2m程の歩道によって歩いていた時、10m程前方では反対の端を歩いていた人が、との距離3m位になった時に、急に斜めに歩いてきて1m程前方完全真っ直ぐに対向するになりました。目が合っていても全く避けるそぶりがなく、そのままだと多分ぶつかるのでこちらが避けました。妙だなあと思います。その人は恐らく30歳くらいの女性で、一見OL風な容貌でした。
>それから、6m程広い歩道を歩いているときのことです。前方20m程曲がり角から現れたは、そのまま私の進行軌道上前真っ直ぐ向き合う形で歩いてきました。そして距離がどんどん近づいても避けません。結局1m位に近づいたところでやっと向こうが避けました。他に人はいませんでした。・・(略)・・この相手も30代程女性です。


この2例「空間認知が弱い人」だと感じますね。女性多いです。だから多くの女性運伝下手です。

「これ以上近づかれるのは嫌」という「自己空間領域認知」というのは、かなりバラツキがあります。広々とした場所と、満員電車の中、といった状況でも変わります。
「相互空間領域認知」弱いと、こっちがいないかのように、相手は振る舞います。飛んできた虫ぶつかってくるように。

とりあえず、この「空間認知能力の違い」というのを、今回の話としましょう。

「故意に近づかれる」という感覚そのものは、性急「気にしないように」という安直カウンセリング的な考えは取らず、引き続き観察精度上げて見ていき、その上でまた自分の感じ方突き合わせてみる、というのを続けると良いと思います^^。

「空間認知」というのは実に錯覚を起こしやすいものですね。そうした人間科学興味を持ってみるのもお勧めです。
例えば90度に交わる道を、同じ速度で近づく相互の車停止して見えるとか。視界広々と効くにも関わらず出会い頭衝突が起きる原因と伝えられています。


「仕事のスキル」「道を歩いている場面」、それぞれまず上記糸口として、引き続き向き合ってみて頂ければ。
感覚の変化が感じられれば、引き続き視点深める。まだいまいちつかめなければさらに詳しくと、アドバイスを続けていきますので^^。

以上、「仕事のスキル」については根本理念レベル基本的「道を歩く場面」については「客観的事実についての新たな知恵」として「人の空間認知」という具体的アドバイスしました。
それに対し、No.002さんとしては、どのどちらの話も、今まで考えてもみなかったもののようでした。

ご相談者返信(抜粋編集) 2010.10.21(木)
さっそくですが、仕事のスキルとは「有能さではなく信頼をつくり出す能力」なのだとのこと、全く私の思いの外で意外でした。「若いと言われた作業をうまくこなすことが仕事のスキルだと考える」というのも、まさに今までの私の姿勢そのものです。
今まで仕事に対する考え方間違っていたことが分かって恥ずかしいです。

今までの私は、とにかく自分の有能さアピールしたかったですし、作業上手くこなしたく、その自信もありました。ただし作業方法良く教えてくれるなら、と。そして私なりに頑張っているつもりなので、たとえ成果はでていなくても、そこまで私を厳しく非難しなくてもいいのに、と。
しかし仕事の考え方間違っていたとすると、責めることもできず、ただただ自分の能力の無さと情けなさを味わい辛かったです。

それはともかく、そうした考え方での実践今まで全然できていませんので、これから順々に行っていけたらと思います。
そこで質問なのですが、現在仕事先ですでに信用を失っていて、周りの人の目が厳しく精神的に参っていることもあり、実行に移す力が不足気味な気がするのですがどうしたらいいでしょうか?
にあるように感情と行動の分離を心がけ、自分のため仕事スキルを身につけたいと思いますが、もう自分の居場所が無いくらいまで周りから冷たくひどい仕打ちをされるようなら、同じ職種で転職も考えざるを得ませんが、
それでもここで何か身につけられるものがあれば将来の自分のために今頑張りたいと思います。

道を歩いている場面ですが、観察精度を上げる実践で、今までになく改善を期待できる気がしています。あくまで期待なのですが、観察しようと意識することで、不思議とある程度落ち着いていられるのです。
今までは、「嫌がらせがまた来た」という感じで憤りと嫌悪感で一杯で、その感情を元に出来事解釈していたと思います。その結果他人というものがとても悪意に満ちた憎しみの対象としてあったと思います。
ところが、注意深く観察することで、あれだけ自分に対して白い目を向けていると思っていた他人が、実際にはそんなでもなかった?というふうになぜか、変わってきたのです。それだけ、実際には、今までよく見えていなかったのでしょう。
また、空間認知という話から、人によって空間に関する感じ方が様々に違うのだということを理解することで、多少近寄られても寛容でいられるようになった気がします。少なくとも、見ず知らずの他人が特別に私に対してだけ悪意をもって接してくるという感覚が薄らいで楽になったのは確かです。
今後も続けていきます。

こうして、No.002さん状況としては、仕事への今まで姿勢考え方間違い理解できたものの、まずは「恥ずかしい」「自分の情けなさが辛い」というネガティブ反応、さらに「すでに信用を失っていて、この先さらにひどい仕打ちを受けるようなら・・」といったも感じ、積極的前進にはまだつなげられない状況、それでも「頑張りたい」という望みへのストレートさ失なっていない、というものになります。
一方道を歩く場面については、「観察精度の向上」によって人を冷静に見られるようになり、「嫌がらせ」感じていたもの「それほどでもなかった?」というように感じ方変化し、さらに「人の空間認知の理解」といった具体的な知恵加えることで、実際に近づかれることへの寛容さ芽生えてくるなど、目に見える変化が起きてきました。

ここでアドバイスとしては、仕事への考え方変化を、よりポジティブな前進転じさせるための視点というものが、特に重要になってきます。

3回目アドバイスヘ

2015.5.9

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