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ハイブリッド人生心理学 メール相談事例集 はじめに・「取り組み実践」とメール相談
掲載方法について
島野のメール相談活動
代表的事例
テーマ別事例


No.002 視線恐怖および「職場での自分の位置への不安」の克服 アドバイス内容(4)
1回目アドバイス: 「仕事場面」と「道を歩く場面」の問題へのアプローチ概要 2010.10.6(水)
2回目アドバイス: 「仕事のスキルの基本」と「人の空間認知の理解」 2010.10.16(土)
3回目アドバイス: 「成長の過程」「信頼回復行動のための状況見定め」 2010.10.23(土)

4回目アドバイス 2010.10.30(土) 特別補足解説:心の細かい掛け違いの解消が大きな心の快調を生む
テーマ: 仕事のスキルへの妨害心理要素対処と実践ノウハウ
メール件名 『仕事の習得課題への実践』

■仕事の習得課題

まずは仕事習得課題として、具体的2つあがってきている感じですね。2つというか2つのくくりで。

1.
>メーターの印意味説明できるようにする、また自分の点検する設備壊れた時どのように行動するかをシミュレーションしながら毎月の点検をする、ということでした。

・メーターの印の意味を説明できるようにする
・点検する設備が壊れたときどのように行動するか


これが一つとして、あと、

2.
>「一通りの設備と仕事の流れも把握しただろうから」という前置きでのでしたので、やはりまず私が取り組むこととしては、アドバイスして頂いたように、作業がどのように管理されているかを把握することからなのだと痛感します。是非それをマスターしたいのですが、どのような方法が考えられるでしょうか?

・一通りの設備と、一連の仕事の流れの把握
・それらはどのように管理されているか


まずは後者2の方習得し、そこに含まれるものについて1できるようになると、かなりのプロ仕事としてマスターという感じになるかと^^。


■「人への意欲」と「技術習得への意欲」を分離する

その前に、まず心の姿勢としてちょっと妨害要素No.002さんの場合ありそうなので、それを指摘しておきましょう。
まあ一言でいって変な話になっている部分があります。

>今こうして振り返って書き、やった方が良いと思うのですが、不本意ながら現在までできていませんその時は気ばかり焦り、実際の場面での失敗もあり、気分は何もする気がしないうつ状態でしたので。

これですが、たとえばメーター意味調べて覚えることは、まずその説明をしている情報探しにそれを読むという単発作業になると思いますので、本来はあまりやる気とかうつ気分とかに左右されずササッとできればそれに越したことはないことのように感じました。
これが何か月かけて自作する機械製作とかの話になると、そうした気分の影響が出てくるとして。

また、

>私のする作業について「そんなの小学生でもできる」というよな言葉頻繁にあり、私は悔しいやら情けないやらで、とても積極的に仕事を覚えたり勉強に取り組んだりできる心境ではありませんでした

これもまず読んで「?」と感じたものです。
普通は・・というかまあ努力家であれば、むしろそうした言葉をバネにやる気を出す話だが・・と。

これはどうも、

・誉められればやる気になる。誉められないとやる気になれない

という心の構えがある模様
本来、逆なんですけどね^^; 努力した結果誉められる。
それが逆転して、誉められるなら、頑張るという心の構え

ただこれについては、そんな部分も、誰の心にもあるものということでもいいと思います。とにかく、それについて何か自己叱責的に正そうとすることは、あまり意味がないと思います。

ハイブリッド心理学的に、心の深層感覚について指摘したいのは、技術習得作業に向かうということ自体が、何か「人に向かう」ことであるかのような感覚持っていないか、ということです。
技術習得作業であるとは、その対象ではなくモノだといういことです。しかしそのモノの向こうに、人の表情がある。そんな感覚

それだと、上記メ−ル部分のように、人の思惑を目当てにするように、あるいは人への反発心のように、モノの作業への気分や意欲がブレてしまうことになります。

ですから、技術習得作業においては、

・それをする自分を見る人の目、という意識感覚はいったん切り離す

ことが大切です。

・自分と、その技術習得対象のモノ。それだけの意識の世界を心に持ち、その中で作業する

というのが重要
それによって、「こんな気分ではできない」いったことも、あまり起きないようになると思いますので。


■「人が自分に感情を向けてくる」という意識世界からの脱却

モノへの感情人への感情重ねてしまうのから脱却、というつなげられるものとして、

・「人が自分に特別な感情を向けてくる」という感覚から脱却する

という意識実践も言えますね。

これは道を歩いている場面まさに言えるものです。
今回観察精度を上げて人の様子を見たところ、

案外、人と目が合わないものですね。私に向かって突っ込んでくる人というのが、一体どこを見ているのかと思いますが、・・(略)・・ 表情としては、軽蔑するものに向けられる白い目の嫌なイメージの表情というのは、実際のところはあんまりというか、ここ最近でそれを見た記憶はありません

となった。
今までは、「軽蔑するものに向けられる白い目の嫌なイメージの表情」を、No.002さん道を歩いてくる他人感じたというになります。
それはどういうことだったのかと考え、こんな言葉が浮かびました。

つまりそれは、「見なかったから、見えた」のだと。

相手を良く見なかったから、見えた。何が見えたか。
それは自分の心であるわけです。

相手を良く見なかったから、そこに自分の心が見えた、というわけですね。


■「ただ流し、自分のすべきことに向かう」

同じことが、上司同僚などにも言えると思います。
それは自分への何か特別な感情が向けられていることだと感じるものが、実はそんなものはない可能性があります。
相手はただ、相手の性癖による行動をしているだけなのだ、と。No.002さんにはあまり関わりなく

>上司態度においてもパワハラそのものの傍若無人なところがあり、仕事中狭い部屋2人きりになるのですが、平気でおならをしたりと。

これも案外そんな話のような気がしますねぇ。も結構ガスがたまりやすく、好きな時ガス抜き、つまりおならできたらいいものだ、と感じます^^; 実際、このくらい人が近くにいたら我慢する、という距離感覚的年々狭くなっている気がします^^;
まあ歳を重ねるごとに、そんな気くばりよりも自分の健康価値を感じるので。おなら我慢するのは基本体に良くないと思いますので。

まあとにかく、人が自分に何か特別な感情を向けているという感覚については、

・相手を見ないから、そこに自分の心が映る

といった心理メカニズム考慮しつつ、それ以上どうこうしようとせず、

・「ただ流し、自分のすべきことに向かう」

という姿勢良いものになります。感じてしまうものをさらにどうこう変えようとするのは、意識ただ鬱屈させるだけですので。


■仕事の習得課題への実践

まずはざっとそんな意識姿勢踏まえて、今回あがってきている課題取り組んでみて頂くと良いかと。
順番整理して、

1.
・一通りの設備と、一連の仕事の流れの把握
・それらはどのように管理されているか


2.
・メーターの印の意味を説明できるようにする
・点検する設備が壊れたときどのように行動するか


あと追加するなら、

>実際の場面での失敗もあり、気分は何もする気がしないうつ状態でしたので。

3.
・この「現実の場面での失敗」を繰り返さないための、原因分析と対策立案

などがあげられます。まあ「失敗から学ぶ」というやつですね。ちょー重要です。
これは上記1.2.一巡する中で押さえていくと良いと思います。


さて1からのその実際の進め方ですが、まずお勧めできるのは、

・職場にどんな資料があるのか

おおよそ全て把握することからだと思います。
これは新しい仕事についた時には良くやったものです。まず職場キャビネからまで、どんな資料を入れたバインダーがあるかを、把握していくわけです。

まずはそこから、上記1.2.課題への情報が、どうリンクするかですね。

バインダーに書いてあるタイトルというのは、それをまとめた人間のような感じで、得てして内容うまく表していない言葉書かれていたりするので、中身を見て言葉との対応勘所つかんでいきます。

それで「おおよそこんな情報がここにある」というのが覚えられると、上記1.2.3.の課題習得俄然進むようになってくると思いますので。

まずはそんな感じ進め方検討してみて頂ければ^^。

特別補足解説:心の細かい掛け違いの解消が大きな心の快調を生む
さて、「管理業務のスキル」のための具体的実践へと一路向かうわけですが、ここではまず、それへの「無意識的妨害心理要素」とでも言えるものを、今までの話も踏まえて押さえてから、効果的な実践具体的アドバイスへとつなげています。
まとめておきますと、妨害心理要素としては、
「誉められるなら頑張れる」といった、ごくありがち未熟姿勢
始めとして、
・本来「モノ」だけ向かうものである作業が、その無意識的「人」に向かうことであるような感覚貼りついており、「モノ」だけに向かう作業としての意識集中が、人に向かっての心の動揺に妨げられる
といった無意識的心理メカニズム、また
「人が自分に特別な感情を向けてくる」という感情感覚「相手を見ないから、そこに自分の心が映る」
という、人生の来歴でのマイナス影響新しい対人関係生活持ち込んでしまうという心理現象などがあります。
それに対しそれぞれ
未熟姿勢足を取られないよう注意
・「モノ」に向かう作業においては、「それをする自分を見る人の目」という意識感覚いったん切り離す自分技術習得対象のモノという、それだけの意識の世界を心に持ち、その中で作業する
「人が自分に特別な感情を向けてくる」という感覚から脱却する
という対処方向性を踏まえ、総合的には、
妨害心理要素「ただ流し、自分のすべきことに向かう」という姿勢
だと述べているものになります。

私の経験からの補足をしておけば、未熟姿勢来歴のマイナス影響といった比較的聞くことが多いかと思いますが、「モノへの意識の裏に人への意識が貼りついている」といった細かい無意識心理メカニズムは、でなかなか伝えられることがない一方、結構大きな心の不調停滞招くものになります。
つまりそれは細かく小さな心の歯車の掛け違いをしているわけです。シャツボタン小さな掛け違いのように。その結果自分で気づかないまま、いつまでも心が身動きできないような不調停滞続くわけです。
その時、自分の感情感覚細かい要素をじっと見分けるハイブリッド心理学ならではの自己分析による解きほぐしうまく行くと、細かい心の掛け違い解消同時に、心の快調が大きく回復するということが起きます。
こうした細かく精緻な自己分析と、目を見張るようなその効果というのは、メール相談ではなかなか扱えるものではなく、私自身豊富体験を、今後『日記ブログ』などで紹介していきたいと思っている次第です。

そうして妨害心理要素見分け対処踏まえてから、仕事のスキル向上本道へと向かうのが良いでしょう。
2回目アドバイスで述べた、「仕事のスキルとは有能さではなく、信頼を作り出す能力である。管理調整ができることがその基本内容になる」といった根本理念踏まえ(それがまた、妨害心理要素見分け対処足場になるでしょう)、その「管理調整」具体的内容極めていくことです。「精査・網羅」できるということが重要なものとして。管理する対象手順方法、そこにおける考慮点、起きる可能性がある問題、それへの対処防止策関係者顧客への連絡、等々。
それらを、その仕事において使われる、時にのある「用語」しっかりと覚えることが、入り口になります。
言葉をこうして列記できたように、これらは仕事内容違い超えて、普遍的なスキルになります。
そうした「管理スキル」のための実践ノウハウとして、ここでは「職場にある資料バインダーを全て把握する」といったものをアドバイスした次第です。

No.002さんからの返信一週間後で、相談当初焦りと動揺様子からはかなり様変わりし、落ち着きと、No.002さん本来の性格らしいのんびりさも多少うかがわせるものになりました。

ご相談者返信(抜粋編集) 2010.11.6(土)
このところ不思議と調子が良く悩み苦しみが軽くなったので、のどもと過ぎれば熱さ忘れるというのか、なんとなく漠然と過ごしていました。
なにせ今までの人生ほとんど時間人間関係ボロボロの中は苦しみ一杯調子悪かったのですから、いつまたそんな状態戻るかも知れないとも思いますが、以前何も方法を持っていない時よりも随分心強く感じていますし、アドバイスのおかげで今までになく状況好転したと感じているのは事実ですから有難いです。

近況としては、今月に入ってからいろいろと雑用的な仕事が増えて、というかそれらが目につくようになってきて、例えば
・・設備の細かい備品の整備点検の類。略・・
これらは上司からやるように言われながらも進まずに溜め込んでいた仕事で、この職場では今まで記録を取っていなかったので、記録用紙から用意など手間取り少しずつですが、こうした仕事は実は結構あったのですね。どういうわけか今まで目に入っていないような状態で後回しになっていました。
そんな訳で、せっかく頂いたアドバイスをまだ十分に実行できておらず申し訳ないですが、キャビネット書類今まで以上に見るようにしており、 また全体の流れ掴むということで、職場内作業仕様書じっくり見て、それがちゃんと行われているかの確認をしながら記憶したりと、まだまだ習得には時間が掛かりそうですが、その方向努力していきたいと思います。

技術習得への姿勢は、とても勉強になりました。
まさに「褒められればやる」という気持ち行動していたことに気づきました。 また「人が自分に特別な感情を向けてくる」というのが気になって本来やるべき仕事ができなかったこと。
日々の作業に向かうとまだ多少感情的な苦しさはありますが、以前よりはましになったと思います。これからも「ただ流し、自分のすべきことに向かう」というのを心掛けていきます。

道を歩いている場面については、つい1か月前比較すると雲泥の差と感じています。なにせ以前は、憤りに悶え苦しむという状態でし、に帰って風呂に入っていても食事をしていても、そのぶつかってくるという場面が頭の中でリピートされ、その都度憤り情けなさとで最悪の気分を味わっていましたから。
今でも、やはり恐さはありますし、を歩いていて心細い感じもあります。それに正直なところ、嫌な感じの人遭遇しないわけではありません。でも、頻度減っているのと、後を引かないことと、大体の人は多分私に悪意を持っていないだろうという気持ちを感じられるようになったことは大きな変化と思います。今後も観察精度向上に頑張っていきたいと思います。

具体的アドバイスをまだ十分実践移せていませんが、今後、順々実行していきたいと思います。

仕事場での状況問題、そして道を歩く場面での問題双方について、メール相談による対処方向づけとしては、これでかなり十分なものになるでしょう。
これもNo.002さん性格なのか、「アドバイスをまだ十分に実行できておらず申し訳ない」とかなり謙遜しておられますが、今まで先延ばしにしていた細かい作業を、管理スキル向上するであろう方向着手し始めるなど、実際には私のアドバイス方向へと、歩み始めているのを読み取ることができます。
あとは、まさにその「十分に実行できておらず申し訳ない」という言葉に対して、仕事のスキル向上は元々短期間問題ではないという長期的視野も踏まえ、今回出てきた課題についておさらい補足などしておきたいものになります。

またNo.002さんいくつかの言葉は、完全には消え去らずに残る感情動揺様子表現してもいます。「日々の作業に向かうとまだ多少感情的な苦しさはありますが」「恐さはありますし、道を歩いていて心細い感じもあります」など。
これはごく単純に、怪我治る中多少の疼き後を引いてやがて完全に消えるといったようなと、まだ手つかずの動揺要因残されているといったものの、両方あり得ます。
いずれにせよ「感情と行動の分離」姿勢で、外面客観的事実への目を持ち、内面解きほぐしをすることが対処になりますが、必ずしも性急「取り組み実践」をする必要のあるものではありません。ある程度つかんだ成長への姿勢で、まずは目の前生活人生に向かって歩むことで得る成長で、やがて意識することなく消えているといった流れになることもあるでしょう。
大切なのは、まずは「性格だから仕方ないのか・・」といった、動揺解決自身成長幸福の増大自らブロックするような思考や視野脱することです。No.002さんに対しても、まずはこれからの長い成長への歩み視野のための視点アドバイスすることが、ひとくくりメール相談仕上げになってきます。

5回目アドバイスヘ

2015.5.18

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