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はじめに・「取り組み実践」とメール相談 掲載方法について 島野のメール相談活動 代表的事例 テーマ別事例 |
No.002 視線恐怖および「職場での自分の位置への不安」の克服 アドバイス内容(4) | |||||
1回目アドバイス: 「仕事場面」と「道を歩く場面」の問題へのアプローチ概要 2010.10.6(水) 2回目アドバイス: 「仕事のスキルの基本」と「人の空間認知の理解」 2010.10.16(土) 3回目アドバイス: 「成長の過程」「信頼回復行動のための状況見定め」 2010.10.23(土) 4回目アドバイス 2010.10.30(土) 特別補足解説:心の細かい掛け違いの解消が大きな心の快調を生む
特別補足解説:心の細かい掛け違いの解消が大きな心の快調を生む さて、話は「管理業務のスキル」のための具体的実践へと一路向かうわけですが、ここではまず、それへの「無意識的妨害心理要素」とでも言えるものを、今までの話も踏まえて押さえてから、効果的な実践の具体的アドバイスへとつなげています。 まとめておきますと、妨害心理要素としては、 ・「誉められるなら頑張れる」といった、ごくありがちな未熟姿勢 を始めとして、 ・本来は「モノ」だけに向かうものである作業が、その裏に無意識的に「人」に向かうことであるような感覚が貼りついており、「モノ」だけに向かう作業としての意識集中が、人に向かっての心の動揺に妨げられる といった無意識的心理メカニズム、また ・「人が自分に特別な感情を向けてくる」という感情感覚(「相手を見ないから、そこに自分の心が映る」) という、人生の来歴でのマイナス影響を新しい対人関係や生活の場に持ち込んでしまうという心理現象などがあります。 それに対しそれぞれ、 ・未熟姿勢に足を取られないよう注意 ・「モノ」に向かう作業においては、「それをする自分を見る人の目」という意識感覚はいったん切り離す。自分と技術習得対象のモノという、それだけの意識の世界を心に持ち、その中で作業する ・「人が自分に特別な感情を向けてくる」という感覚から脱却する という対処方向性を踏まえ、総合的には、 ・妨害心理要素は「ただ流し、自分のすべきことに向かう」という姿勢 だと述べているものになります。 私の経験からの補足をしておけば、未熟姿勢や来歴のマイナス影響といった話は比較的聞くことが多いかと思いますが、「モノへの意識の裏に人への意識が貼りついている」といった細かい無意識心理メカニズムは、世でなかなか伝えられることがない一方、結構大きな心の不調停滞を招くものになります。 つまりそれは細かく小さな心の歯車の掛け違いをしているわけです。シャツのボタンの小さな掛け違いのように。その結果、自分で気づかないまま、いつまでも心が身動きできないような不調停滞が続くわけです。 その時、自分の感情感覚の細かい要素をじっと見分ける、ハイブリッド心理学ならではの自己分析による解きほぐしがうまく行くと、細かい心の掛け違いの解消と同時に、心の快調が大きく回復するということが起きます。 こうした細かく精緻な自己分析と、目を見張るようなその効果というのは、メール相談の中ではなかなか扱えるものではなく、私自身の豊富な体験を、今後『日記ブログ』などで紹介していきたいと思っている次第です。 そうして妨害心理要素の見分け対処を踏まえてから、仕事のスキル向上の本道へと向かうのが良いでしょう。 2回目アドバイスで述べた、「仕事のスキルとは有能さではなく、信頼を作り出す能力である。管理調整ができることがその基本内容になる」といった根本理念を踏まえ(それがまた、妨害心理要素の見分け対処の足場になるでしょう)、その「管理調整」の具体的内容を極めていくことです。「精査・網羅」できるということが重要なものとして。管理する対象、手順、方法、そこにおける考慮点、起きる可能性がある問題、それへの対処、防止策、関係者や顧客への連絡、等々。 それらを、その仕事において使われる、時に癖のある「用語」でしっかりと覚えることが、入り口になります。 今私が言葉をこうして列記できたように、これらは仕事の内容の違いを超えて、普遍的なスキルになります。 そうした「管理スキル」のための実践ノウハウとして、ここでは「職場にある資料バインダーを全て把握する」といったものをアドバイスした次第です。 No.002さんからの返信は一週間後で、相談当初の焦りと動揺の様子からはかなり様変わりし、落ち着きと、No.002さんの本来の性格らしいのんびりさも多少うかがわせるものになりました。 ご相談者返信(抜粋編集) 2010.11.6(土)
仕事場での状況の問題、そして道を歩く場面での問題の双方について、メール相談による対処方向づけとしては、これでかなり十分なものになるでしょう。 これもNo.002さんの性格なのか、「アドバイスをまだ十分に実行できておらず申し訳ない」とかなり謙遜しておられますが、今まで先延ばしにしていた細かい作業を、管理スキルも向上するであろう方向で着手し始めるなど、実際には私のアドバイスの方向へと、歩み始めているのを読み取ることができます。 あとは、まさにその「十分に実行できておらず申し訳ない」という言葉に対して、仕事のスキル向上は元々短期間の問題ではないという長期的視野も踏まえ、今回出てきた課題についておさらいと補足などしておきたいものになります。 またNo.002さんのいくつかの言葉は、完全には消え去らずに残る感情動揺の様子を表現してもいます。「日々の作業に向かうとまだ多少感情的な苦しさはありますが」「恐さはありますし、道を歩いていて心細い感じもあります」など。 これはごく単純に、怪我が治る中で多少の疼きは後を引いてやがて完全に消えるといったような話と、まだ手つかずの動揺要因が残されているといったものの、両方があり得ます。 いずれにせよ「感情と行動の分離」の姿勢で、外面の客観的事実への目を持ち、内面の解きほぐしをすることが対処になりますが、必ずしも性急に「取り組み実践」をする必要のあるものではありません。ある程度つかんだ成長への姿勢で、まずは目の前の生活と人生に向かって歩むことで得る成長で、やがて意識することなく消えているといった流れになることもあるでしょう。 大切なのは、まずは「性格だから仕方ないのか・・」といった、動揺の解決と自身の成長と幸福の増大を自らブロックするような思考や視野を脱することです。No.002さんに対しても、まずはこれからの長い成長への歩みの視野のための視点をアドバイスすることが、ひとくくりのメール相談の仕上げになってきます。 5回目アドバイスヘ 2015.5.18 |