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ハイブリッド人生心理学 実践メニュー 
−「心の成長」のための思考法行動法テクニックから深層心理への取り組みまで−

 ハイブリッド人生心理学では「心の成長」のために何を実践するのか。それを整理したものが、この「実践メニュー」です。
 今までも幾つか実践サマリーをまとめていますが、「心理障害の克服」という難しい問題を前提に考えて整理したもので、あまり分かりやすいものではなかったかと^^; 「ハイブリッドって実際何をするの?」という質問への答えとして、何とかこれを最終確定版にできるのではと考えています。

 この「実践メニュー」は、まずは特に心理障害という問題を考えなくとも、「心の成長」のために誰でも実践して頂ける思考法行動法のノウハウから始め、次に根本的な生きる姿勢の問題、そして最後に深層心理の問題への取り組みという、3段階で整理しています。
 心理障害つまり「病んだ心」という問題をあまり抱えていない人であれば、「心の成長」のために思考法行動法のノウハウがすぐに役立つでしょう。一方、それを役立てるのを妨げる、何かの内面問題があるようであれば、根本的な生きる姿勢を問うことと、さらには、専門的な心理学の知識を活用した、深層心理への取り組みへと進んでいただければと思います。

 なおこの「実践メニュー」には含めていませんが、全ての最初は、「自らによる心の成長」を目指すという、ハイブリッド心理学を実践する動機の確認です。ハイブリッド人生心理学は、そのための心理学です。
 「成長」とは、「自らによって幸福になる能力の増大」と定義しています。それを目指し、その方向性において内に抱える病んだ心の克服を目指すのであれば、ハイブリッド人生心理学が大きな助けになるでしょう。

 この「実践メニュー」は、より外面的実践的な話から、より内面的深層心理的な話へという3段階としていますが、これは、その順序で自分自身の取り組みを「検討」してみることをお勧めするものである一方、必ずしも、その順序で「習得」しなければならないものではありません。
 もし外面における建設的思考法行動法がなかなか身につなかいのであれば、それは恐らく根本的な生きる姿勢の問題か、さらには幼少期から抱えた内面の深層感情の問題があるでしょう。その場合は、外面的な建設的思考法行動法と、より深い内面の取り組みを平行して進めるのがお勧めになります。深い内面への取り組みはそれなりに大変ですが、外面における建設的思考法がその支えとなり、また内面における問題の克服が、外面における建設的思考法行動法をより確かなものにするという、相互的関係にあります。この並行的な進め方については、下の「これまでの実践サマリー原稿」を参考下さい。

これまでの実践サマリー原稿
 ハイブリッド人生心理学サマリー  2005.6.13
 7つの知識領域のサマリー
 ハイブリッド人生心理学による心の治癒成長への道
 心の治癒成長への道すじ・方向を見失わないために 2005.9.29
 ハイブリッド人生心理学ステップ・ドリル
 取り組みの各段階での主な実践項目  2005.12.18

 なおここでは項目立てとして、主にキーワードのみ書いてあります。それぞれの説明については公開原稿インデックスなどを参考に該当しそうな説明を読んで頂ければと思います。
 今後必要に応じ過不足修正などアップデートし、より分かりやすいメニューにしたいと思います。
最初の心理学本はこの「実践メニュー」をベースに、全体の分かりやすい説明を書く予定ですので、こうご期待下さい。

ハイブリッド人生心理学 実践メニュー


I.心の成長の基本 ... 「心の使い方」の基本

「建設的思考法行動法」を基本とする。「建設的」であるとは、ものごとに対処する基本姿勢の話。3つの姿勢がある。
「破壊」は「それは駄目だ」と相手を否定する姿勢。
「自衛」は、相手に否定をぶつけるのではなく、自分で自分を守る手段を考える姿勢。
「建設」は、嫌なものから自分を守るだけではなく、良いものに取り囲まれるような「生きる基盤」を、自ら築きあげる姿勢。

そのための具体的な思考法行動法に以下のようなものがある。

1.心理学姿勢の基本
「心理学知性の洗練」 ... とにかく今までの「素の頭」で考えるのを、心理学ノウハウを応用した思考法へと、全般的に洗練させる。
「問題の切り分け」 ... 感情と現実対処/自尊心と愛/etc
「思考の順序」 ... 「どうするか」よりも「何を求めているのか」。「何のせいでこうする」ではなく「こうするとどうなる」。

2.現実への対処
「感情と行動の分離」
「建設的対人行動法」... 対人関係を向上させる行動法。「共通目標共通利益のみに着目する」が骨子。
「原理原則立脚型行動法」 ... 人との衝突や利害関係をうまく処理し「勝てる」行動法。

3.内面への対処
「悪感情への耐性」
「怒りと焦りの解除」
「感情を良くするのではなく現実を良くする」... 感情を良くしようとする焦りが感情を悪化させる。感情はただ流し、現実への対処は感情とはいったん別のこととして現実を解決するのが基本。


U.生きる姿勢の根本変革 ... 価値観・世界観・人間観・人生観
 *ABCは後ろに出たものほど推奨

1.価値感覚と価値観 ... 価値・理想・優越をどのように捉えるか
 1)価値や理想を考える姿勢
   A.人の目を通して
   B.独立した人間として全世界を対峙させて
 「善悪の解体」
 2)価値を感じる感情
   A.否定型価値感覚
   B.肯定型価値感覚
 「不完全性の受容」「否定型価値感覚の放棄」
 3)価値とするものの内容
   A.相手を打ち負かす
   B.調和
   C.価値の創造
 総括:「人目の中での良し悪し」から「何が生み出されるか」へ

2.世界観
   A.道徳的世界観 ... 良いことをすれば世界が自分を幸せにしてくれる
   B.サバイバル世界観 ... 「定められた姿」のない世界で進む道を自分で切り開く

3.人間観
   A.感情投影・自己投影型人間観
   B.科学的・心理学的人間観

4.人生観
   A.人の目の中で何ものかになる
   B.生み出すことに生きる
 総括:人目の中でどうあれるか」から「何を生み出すか」へ

総合:「望み」「愛」「自信」への上記生きる姿勢からの捉え方の変革


V.心理障害の根本克服と魂の治癒成長へ ... 心の深層への取り組み

1.自分自身に向き合うことの価値を知る

2.自分についた嘘を解く ... 心の荒廃と浄化の軸は、「愛」ではなく「嘘」にある。自分自身についた嘘荒廃化であり、自分への嘘をやめることが浄化となる。「愛」はその結果として減少し、また回復増大する。
 これは嘘を糾弾する姿勢では成し得ない。「嘘をついていないという嘘」が「嘘」の最根底核だからである。
 人間が不完全な存在である限り、嘘を願うのもまた真実となる。嘘を否定することではなく、人間の不完全性として受け入れる包容が答えになる。(下の道のりを通して見えてくる)
 「感情の強制」の放棄

3.感情分析と共に価値観の根本的問い直しを行なう
 「心の成長の基本」「生きる姿勢の根本変革」と同時に心の深層感情が露わになる時、感情の根底からの変化が起きる。

4.心の殻を破る
 「自己操縦心性の崩壊」「感情の膿の放出」を知る
 「魂の望み」に向かい「アク毒」を乗り越え「原罪」の感情に向き合う

5.現実を最大限に生きる




      参考:掲載時の掲示板お知らせ
久々にトップページをリニューアル\(^^)/ / しまの
No.1192 2007/03/29(Thu) 14:14:35

結局日曜もスキーだった..というのはどーでもいい話として、
久々の新規サイトコンテンツとして、「ハイブリッド人生心理学 実践メニュー」をUpしました。
ごく手短なサマリーものですけどね。

とにかくやたらと話の多い(^^;)ハイブリッド心理学ですが、実践面においては、ごく外面的思考法行動法など心のテクニック的な話、次に根本的な生きる姿勢の話、そして最後に心理障害メカニズムへの専門的深層アプローチ、という3段階に分類するのが、実際これからハイブリッド心理学を学ぼうとされる方には分かりやすいのではないかと考える次第です。

今掲示板解説しているような、心理障害メカや「魂」といった深層の問題についても、そうした全体を踏まえることで、より明快な理解が得られるのではないかと思います。

現実をより良いものにし、心と人生を豊かにすることについて、実にはっきりした答えがあります。「建設的」であることです。
問題は、それにもかかわらず、現実を自ら破壊せざるを得ないような心理状態があることでしょう。「怒ることが自分にとって正しい」という感覚の中でです。
なぜそうなるかというメカニズムは、主に2つあります。
一つは、それが「感情の膿」という、「人格破綻的な自己否定感情」から自分を守る防衛メカニズムとして自動的に働くことです。それに比べれば、「自分だけ嫌われる」という「イメージ」とそれへの怒りは、まだ意識が保てるタイプなのです。この防衛を解除すると、「人格破綻的な自己否定感情」が表面化します。それを建設的な価値観によって乗り越えた時、それは根底から消滅します。
もう一つは、現実を破壊することの中で、魂が求めるものがやはりあることです。その否定的側面に流されることなく、それに深く自己共感し、建設的価値観を携えて「魂の望み」に向かうという道が、最終的な方向性になります。

3段階として説明した全てが合体したところに、奇跡のような変化の世界があるんですね。
ということで、何とかより分かりやすい解説を今後の掲示板や心理学本でー。


■ 「実践メニュー」の検討手順 / しまの
No.1193 2007/04/02(Mon) 17:28:45



土日スキー行ってきましたが、もう一般的なスキー場は終わりだなぁの感。あと少しは雪を求めていずこへと..^^;


「実践メニュー」に関連して多少質問メールなども寄せられた状況を踏まえ、ハイブリッドの実践の全体の流れについて、さらにキーポイントを書いてみたいと思います。

まず、「自らによる心の成長」によって、心と人生を豊かにしたいのであれば、「建設的であること」です。
そうすれば、心と人生は必ず豊かになります。これは請け合います。

I.心の成長の基本

だから、まずは、「I.心の成長の基本」として建設的思考法行動法を学んで頂く。
キーポイントは、これは精神論ではなく、とても沢山の、具体的な内容のものだということです。ですから、自分の感情、そして「自分がどうなれたか」という「自分の姿」に見入るよりも、具体的な現実問題にどのように建設的に対処するかというテーマに、より多くの思考時間を割いて頂くのがいいと思います。
ハイブリッドにおける「建設的であること」は、精神論ではなく、実践による習得習熟の積み重ねがとても大切です。

建設的思考法行動法がうまく進められないケースが、ざっと3通りあると考えます。

1つ目は、単純な理解不足です。まあハイブリッド自体まだそんな良くまとまったものを出し終えれていない。そもそも何をより建設的対処が可能な問題と捉えるかからして、最初は良く分からないかも知れません。
これについては、僕としてもより分かりやすく整理したものを出していく一方、メール相談なども積極的に活用頂ければと思います。
そうやって、「心の健康の基本」としてやることが沢山あります。

2つ目は、建設的であることを目指す意識はありながらも、どうも実践がうまく伴わないというケース。
これは大体、上述のキーポイントにおいて逆の方向に流れているものです。「建設的になれた自分」ということに見入って、実際の現実への建設的対処に目が向いていないケースです。
これも単純な理解不足で、上述のキーポイントの理解で軌道修正ができるケースと、根本的にちょっと違う方向を向いているケースが分かれてくるでしょう。後者は、「建設的になれた自分」が人に尊敬され愛され人に勝つことを期待する衝動の中で、「建設的になる」ことを考えるもの。それはもう建設的ではないですね^^;

3つ目は、建設的になることを妨げる何か大きなものが自分の内面にあることを、はっきり感じているケースです。これはある程度建設的思考法の習熟が進んだ後、それ以上先に進むのを妨げるものがあると感じるケースもあるでしょうし、最初っから建設的になることなど考えられないほど否定的な状態を自分で感じているケースもあるでしょう。

II.生きる姿勢の根本変革

「II.生きる姿勢の根本変革」は、上記2つ目の後半から3つ目のケースになってきて、それでも「建設的であること」の価値を検討したいのであれば、取り組んで頂く作業になると考えています。

生きる姿勢として根本的に建設的な価値観に立たないと、建設的な思考法行動法はやはりできないです。人生も心も、豊かにはできないです。少なくとも僕の知る範囲では。
人間の「生きる姿勢」にはどんなものがあるのか。自分はどれを取っているのか。それを把握理解し、その変革を、自らに問うことです。

III.心理障害の根本克服と魂の治癒成長

自らによる「心の成長」によって、自分自身の人生と心を豊かにする方法の答えは、以上です。

それを選ぶかどうかは、自由です。選びたければ選べばいいし、そうでなければ別に選ばなくてもいい。
建設的な思考法行動法や生きる姿勢を選びたいにも関わらず、そうあれない自分をどうにかしたいという時、「III.心理障害の根本克服と魂の治癒成長」への取り組みがある、ということになります。

これは心を建設的にしてくれる魔法ではありません。心を建設的にするのは上記の答えを貴方自身が実践することであり、この3番目の取り組みは、それを妨げる内面の深い問題に向き合うためのものです。深い洞察によって自分自身の心の奥底に光を当てることであり、メスを入れることでもあります。基本的に「心の手術」という感じです。

それがうまく進めば、内面の開放と、新しい力が生まれるでしょう。それがすぐ「建設的になれた自分」を魔法のように実現してくれるわけではなく、心の手術によって開放された力を使って、上記に述べた建設的な思考法行動法と、根本的に建設的な生き方を選択し、実践するかという取り組みが、ここからスタ−トします。
つまりこれはこの「実践メニュー」のゴールではなく、再び最初に戻るのです。
そうして、生涯終わることのない成長向上が始まるわけです。


ということで、「実践メニュー」の3つの取り組み全体の流れを説明しましたが、ぜひ理解頂きたいのは、3つの取り組みがそれぞれ明瞭な役割位置付けを持っており、それを目指すという本人の動機が、まずそれぞれの実践に重要だということです。

何をしたいのかという取り組み目的と取り組み内容がアベコベになっていると、何も実を生まないですね。
自分を変えることができるのは自分自身だけであり、どう変えればいいかには答えがあります。それを選択し得ない内面に取り組むのであれば、心の手術という選択肢もあるでしょう。
一方、言葉の繰り返しになりますが、心の手術は「建設的であること」という答えがあるにも関わらずそれを選択し得ない内面に取り組むためにあります。心の手術が一足飛びにゴールに至った自分にしてくれるわけではありません。

ということで、「自分は何をしたいのか」というのを確認しながら、3つの取り組みを進めて頂ければと。


2007.03.29
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