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ハイブリッド人生心理学

実践ガイド

〜人生のしおり〜
U.ハイブリッド心理学の「取り組み実践」とは

 U−1.実践項目の全体
 U−2.「感情と行動の分離」の基本姿勢
 U−3.「望み」に向かう・「ただ生きる」
 U−4.実践の基本的な進め方



U−3.「望み」に向かう

(1)「望み」に向かう

「感情と行動の分離」の基本姿勢に加えて、もう一つの基本姿勢が加わることで、ハイブリッド心理学の「実践」としての形が整います。
それは、
「望み」に向かう。
ということです。

もちろん私たちは感情が動揺する中で、あるいは心を病んでしまう中で、自分の「望み」が見えなくなってしまったり、「望まないのが正しい」といった思考に陥ったりしてしまいます。
それも含めて、
自分の「望み」の内容、もしくは「望み」のあり方に向き合うことから、「実践」を進める。

これが、ハイブリッド心理学の「取り組み実践」です。

次のような意識は、誤った進め方です。

× 自分の心はどのように病んでいるのか? 自分のどこが悪いのか?
これはマイナス感情をぐるぐると回し続けることにしかなりません。

△ 「心の健康」「心の成長」の正しい姿、理想の姿を知る。
これは心の健康と成長について、勘違いして間違った方向へと向かい続けるのを止めるまでの意味はありますが、先に進む力はありません。立ち止まったままです。

「心の成長と豊かさ」に進む力を持つのは、
◎ 「感情と行動の分離」の姿勢によって、「望み」に向かう。
◎ 自分の「望み」のあり方について、「感情と行動の分離」の姿勢で取り組む。

という意識で進めるものです。

なぜなら、「望み」というものが、私たちの「命」の力が「心」に表れるものだからです。
「望み」として感じ取るものがないまま、いくら心の健康と成長の理想を考えたところで、私たちの心が実際にそれに向かうことは、ありません。

「望み」を描き、「目標」を定めることが心と人生の基本的なパワーの源になることは、さまざまな人生成功術で一貫として基盤にされていることです。
ハイブリッド心理学では、そこにさらに、病んだ心の中で「望み」が妨げられる様子と、そこからの回復と克服への道のり、さらには「望みに向かう」ことが「魂の成熟」といった神秘的な心の働きを経て、「命」の開放に至るという総合的な心の成長への取り組みを整理しています。

この「感情と行動の分離の基本姿勢に立って望みに向かう」というハイブリッド心理学の実践の、基本的な進め方を次の「U−4.実践の基本的な進め方」で説明します。


(2)「望み」の探求・「ただ生きる」

ここではさらに、そのように「望み」に向かい、「感情と行動の分離」の姿勢で取り組む先にある、私たちの心の変化、そして人生の生き方について、方向性として心に入れておきたいものを簡潔に説明しておきます。

日々の生活での感情の動揺を、自らの「望み」のあり方に向き合う、そして「望み」に向かうこととして取り組んでいく。
それによって、「人にどう見られるか」「どう思われるか」という受け身形の意識の中で揺れ動く感情は、「自分では何を望むのか」という自己能動形の意識の中で、「命」のエネルギーを受け取り、そこに心の自然治癒力と自然成長力が作用する、と言えます。
そこに、「ものは考えよう」「気持ちの持ちよう」といった小手先の思考法を越えた「心の成長」が私たちの心に起き、その結果、心はより安定し、プラス感情をより多く湧き出させるものへと変化します。

一方で、この歩みの中で、「望み」のあり方そのものが人生を通して変遷するものになります。
そこに、「心の成熟と豊かさ」というテーマが現れると同時に、私たちの「真の望み」とは何かという、深いテーマも現れます。
その先にハイブリッド心理学が見出すのは、「真の望み」とは私たちが自意識で考える「自分」が持つのではなく、「命」が持つものだという、やや難解で哲学的な答えです。

そうした大きな心の変遷「気づき」について詳しくは、「W.「生きて学ぶ」過程・「魂の成長」の道のり」に譲りましょう。
ここでは、それも踏まえて「感情と行動の分離」の姿勢で向かう先の意識として、心得ておきたいものをお伝えしておきます。
それは、「望み」がしっかりと見えなければならない、というものではないということです。「望み」とは、それだけ難しい心のテーマだと言えます。

まずは「ただ生きる」ことが、内面と外面への知恵という両輪を手に、向かうものとして意識したいものになります。それが「命」の「望み」だからと言えるのでしょう。

ただ自分にできることをして、ただ生きていくことです。
そうすればやがて「命」が、自ずと私たちに「望み」を指し示す。そしてそれに心を委ねて生きていく。


これがハイブリッド心理学の指し示す「生き方」になると、私自身が今感じているものです。


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  2010.10.15

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