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V.実践の概要説明 V−2.実践項目一覧とその概要 「7.臨死体験による心の再生」関連 |
V−2.実践項目一覧とその概要 |
「7..臨死体験による心の再生」関連 人が死に直面する体験を経て、心が生まれ変わったかのように変化するという話を、よく耳にするものです。これと似たことが、心の深いところで起きることで、病んだ心が劇的に健康な心へと変化していく仕組みを、ハイブリッド心理学では見出しています。 病んだ心が自らに絶望して一度死に、そこから新たに健康な心が再生するとでも言える現象です。 病んだ心の崩壊 これは心理学的には、幼少期からの悪感情の蓄積の中で、激しい自己否定感情を心の底に抱えたまま、それを否定し塗り消し、さらに「栄光の勝利」を実現するような、内面外面における自己理想像が抱かれ、心がそれへの「なりきり」のストレスの塊と化しているような状態がまずあると考えられます。それが、現実の壁にぶつかるなどの体験の中で、「なりきり」が破綻し、心の底の激しい自己否定感情があらわになる。それは「精神の死」とも呼べるような深い絶望感になるという流れが起きるものです。 こうして一度、この「なりきり」ストレスの塊としての心が「崩壊」し、心の底の激しい自己否定感情があらわになることで、そこから逆に、ありのままの自分を受け入れ、ありのままの自分として本心から成長していくという、健康な心への回復の道が開かれる可能性が出てきます。 ハイブリッド心理学の専門用語では、これを「自己操縦心性の崩壊」と呼んだりしています。 心の再生への要件 そが実際に「心の再生」につながるために重要なのは、自己理想像が挫折し激しい自己否定感情があらわになるという側面ではなく、自分が駆られる「なりきり」こそが激しい自己嫌悪を生み出しており、その先に真の愛や真の自信の獲得があり得ようもないという、自分の心の袋小路を自覚する側面です(要件1)。 それを、嘘のない自分で生きたいという強い願いと、心の真実として最後に残るのは愛だという性善観を獲得する中で向かえた時(要件2)、今までの「なりきり」ストレスの塊と化した心が一度根底から捨て去られ、全くの「無」から新しい健康な心を再生させるという「命」の力が発動すると言えそうです。 治癒効果 この「崩壊と再生」は、「6 カタルシス治癒」による心の軽快化を一桁大きくしたようなものを含みながら(効果1)、さらに、自分が「生まれ変わった」と感じるような、心の劇的な健康化を生み出す可能性を持ちます(効果2)。 この「生まれ変わる」側面とは、心を動かす情動の質的変化です。それまで、心の底に激しい自己否定感情を隠したまま天国と地獄をジェットコースターでかけめぐるような空想過多の中でのストレスと屈折に満ちた「なりきり」衝動から、もはやそうした屈折を心の中に抱えることなく、地に足がつき空想過剰ではない形で、人として自然な「望み」として、引き続き自己の理想へと歩んでいける感情へとです。 さらに、もしこの「崩壊と再生」が、自ら積極的に「望み」に向かうという歩みの中で起きた場合(要件3)、「再生」した心は、「愛されることを必要とせずに自ら愛せる」という「心の豊かさ」を一歩実現したものへと変化している可能性さえあります(効果3)。 これは「望みの看取り」が生み出す「魂の豊かさ」の仕組みによるものです。このあとの「魂の成長」という遠大な歩みの原型が、ここにあるとさえ言えるほどの重みが、この「崩壊と再生」にはあります。これは「W-1.4 「魂の成長」と「ハイブリッドの世界」」で説明します。 また、自分にいつか必ず訪れるであろう「死」を身近なものとして感じ取り向き合うことが、心の惑いを捨て去るための良い意識姿勢になります。これは病んだ心に限らず、否、むしろ比較的健康な心においてこそ、役立つものになるでしょう。 |
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