1.基本的な考え方 2.「感情と行動の分離」の基本姿勢 3.心の仕組み 4.「変われない人」と「変われそうで戻ってしまう人」 5.「変わっていける人」と「心の豊かな人」 6.ハイブリッド心理学の「取り組み実践」 |
3.心の仕組み |
ハイブリッド心理学では、私たち人間の心の仕組みを、下の図のようなものとして考えています。 私たちは「心」と「体」を持ち、それを動かす大元として、目には見えない「命」があります。 下の図ではさらに、「魂」というものが書かれています。 これはハイブリッド心理学では特に科学を超えた神秘的なものとしてではなく、頭で考えて思い抱く感情を「心の感情」、体の底から湧いてくるような感情を「魂の感情」として分けて考えているものです。 「心の感情」は、「頭寄り」で、理性や知性などの「思考」に結びつきの強い感情だと言えるでしょう。 一方「魂の感情」は、「体寄り」で、本能そして「命」そのものに結びつきの強い感情だと言えるでしょう。 ハイブリッド心理学では、「思考法」「行動法」や「価値観」によって「心の感情」を良くしていくことから始め、さらにそれを超えて、「命」のエネルギーのほとばしりとしての、純粋で力強く清らかな「魂の感情」を開放していくことこそに、心の治癒と成長そして豊かさがあると考えています。 そして開放された「魂の感情」が向かう先には、やはり精神世界の豊さがある。これがハイブリッド心理学の考え方です。 「乳歯の心」と「永久歯の心」 そこで何よりも重要になってくるのが、私たちの「心」は平坦な一つのものではなく、全く異なる感じ方をする2つの「心」が、元から用意されているらしいことです。 それは平たく言えば「子供の心」と「大人の心」なのですが、社会で「大人」と言うと、「子供であることを否定する」のが「大人」だというニュアンスがありがちです。そうではなく、むしろ自分の中の「子供の心」あるいは「未熟な心」を自分で受けとめ、守り、その上で自らの「意志」によって自分の人生を生きていこうとする心が、もう一つ用意されている。 そうした「2つの心」が、あたかも乳歯と永久歯のように、私たちの心には用意されている。社会でどう生きるか以前に、「命」の摂理としてです。 そのような意味で、この「2つの心」を、「乳歯の心」と「永久歯の心」と呼んでいます。 |
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「気持ちの受けとめ」「愛」「自尊心(プライド)」 重要なのは、この「2つの心」で、「気持ちの受けとめ」「愛」「自尊心(プライド)」といったものが、全く異なる感じ取り方がされることです。 「乳歯の心」は、「気持ち」を「人に受けとめてもらう」ものと感じます。「愛」を、「与えられるもの」と感じ、人に良く見られることや他人を負かせることを「自尊心(プライド)」に感じます。 ですから、全てが「人の目」「人の気持ち」によって左右されるような、動揺しやすい心です。 「永久歯の心」は、「自分の気持ちを自分自身で受けとめる」ということが、できるようになります。「愛」を、与えられる一方では成り立たないものと感じ始め、目の前の相手にどう言われるかを超えて、広い視野で社会を知り、自分の「意志」で、揺らぎない自己の確立へと向かおうとし始める。そんな心です。 ハイブリッド心理学では、この「乳歯の心」と「永久歯の心」の関係こそに、心の治癒と成長と豊かさへの鍵があると考えています。 それは、この2つの心の関係を足場にして、「人や社会との関係」と、「自分自身との関係」という「2面の関係性」を、どちらとも同じ重要さにおいて持っていくことだと言えます。 それによって、そこに「命」のエネルギーを持った「魂の感情」が注ぎ込まれるのだと。 「変われない人」や「変われそうで戻ってしまう人」とは、この「2面の関係性」が持てないままの人のようだ、ということになりますね。ハイブリッド心理学に限らず、どんなカウンセリング手法でも「変われない人」になってしまうものとしてです。なぜならこれはカウンセリング手法の違いの問題ではなく、私たち自身の心のあり方の問題なのですから。 「変わっていける人」だと、どのように違うのか。 こうした私たちの心のあり方のパターンを、4つのものとして次に説明していきます。 「変われない人」、そして「変われそうで戻ってしまう人」。 「変わっていける人」、そして最後に、その先にある「心が豊かな人」という4つのパターンです。 |
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2010.9.4 |