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ハイブリッド人生心理学とは 1.基本的な考え方
2.「感情と行動の分離」の基本姿勢
3.心の仕組み
4.「変われない人」と「変われそうで戻ってしまう人」
5.「変わっていける人」と「心の豊かな人」
6.ハイブリッド心理学の「取り組み実践」


5.「変わっていける人」と「心の豊かな人」

心のあり方の「パターン3」が、「変わっていける人」です。
これは、下ののように、「永久歯の心」の「意志」を足場にして、「人や社会との良い関係」と「自分自身との良い関係」という、「2面の関係性」へと向かうものです。

そのためには、「自分の気持ちを自分で受けとめる」という心の姿勢が第一歩になります。気持ちを人にぶつける、気持ちを人に受けとめてもらうことで何かが解決すると期待する心の世界から、一歩前進し・・・ではなくいちど退き、ということに意識上はなるでしょう。「人の目」「人の気持ち」を一度「自分の心」から切り離して、自分一人で考えることのできる、心の部屋を持つのです。あたかも、家族や親戚や近所の人達と騒がしく会議をしていた部屋から、自分だけの一度部屋に戻りドアを閉め、自分一人で考えてみるように。今度は、家と近所の外の広い世界も考えながらです。
「愛」「自尊心」について、全く違う感じ方ができる可能性をしっかりと吟味しながらです。

そうして、人や社会に対しては、「気持ち」を基準に考えるのを超えた、ものごとを根本的な向上解決に導く思考法行動法が取れ、自分自身に対して未熟な「乳歯の心」の「気持ち」をありのままに受けとめることをした時、そこに、この2面をさらに超えた、「命」のエネルギー「魂の感情」として注ぎ込まれます。
それが「乳歯の心」の感情を、「怒り」「憎しみ」「嫉妬」「恐怖」といったすさんだものから、「悲しみ」そして「憧れ」といった純粋な「望み」の感情へと「浄化」させていきます。そしてこの純粋な「望み」の感情によって、「永久歯の心」より力強く、そして惑いなく、自らの人生へと向かうことができるようになります。

こうした大きな心の変化が、「自分の気持ちを自分で受けとめる」という転換にかかっていることの意味を、ここで理解するのが良いでしょう。
つまり、私たちの「気持ち」は、「人に見せ受けとめてもらう」ためのものとした時、どうしてもそこに「嘘」を帯び始めるということです。そして何よりも自分が「ニセモノの気持ちで行動している」ということが、私たちの心をすさませ、苦しめるのです。そしてその苦しみを再び人にぶつけたくなるという自己撞着悪循環が、「乳歯の心」だけで生きる心には起きています。そこからの抜け出しが、この大きな心の変化になると言えるでしょう。



その先に向かい得る「心の豊かな人」についても説明しておきましょう。これが心のあり方の「パターン4」になります。下ののような形です。

「心の豊かさ」は、まず外面行動においては、自分自身として、より大きくより豊かな行動に向かうことができるようになるものです。もちろん、何ができればそうなれるという基準などなく、人それぞれが、自分を「唯一無二の存在」と感じ、人と較べてどうこうではなしに、自分自身に対して誇りを感じられるような前進をするということです。その時人は、自分がもう後戻りのない「心の成長と豊かさ」に向かっていることを、はっきりと感じ取るのです。

それは同時に、より大きく豊かな外面行動に見合う、内面の強さと豊かさを感じることができるということです。
それは何よりも、外面行動は建設的にし、内面感情はありのままに受け入れるという2面の姿勢に対して、「命」がエネルギーを注ぎ込むことによって、惑いに満ちた「乳歯の心」「望み」の感情が、より純粋で力強いものに「浄化」されていくことによるものに他なりません。それは例えるならば、車を動かすためのガソリンがより純度が高く濃度も濃い良質のガソリンへと変化していくようにです。その力を支えに、「永久歯の心」のハンドルさばきによって、人生をより強く、そしてより豊かに生きていくことができるようになります。


「魂の豊かさ」へ

「望みの感情の浄化」はさらに、私たちを「魂の豊かさ」という、スピリチュアルな世界へと導くようです。

つまり、私たちは「望みの感情の浄化」に出会うことで、自分の中に生きる「魂」と、その背後にある見えない「命」のパワーの感覚を、感動と共に感じ取るのです。そして純粋さを増していく「望みの感情」が、もはやそれがどう「現実」において叶えられるかを超越して、私たちの心を満たすようになるのです。
これは「永久歯の心」が、「乳歯の心」の「望み」を「浄化」の中で最後まで守り続けたとき、「乳歯の心」が看取られ、その魂が「永久歯の心」に宿り、「永久歯の心」が沢山の「魂」で満たされてくるという印象を感じさせる仕組みが起きているものと考えています。
これを「魂に魂が宿る」と表現しています。もちろん科学を超えた神秘的な何かの出来事としてではなく、私たちのが生涯を通してそのような情緒的な成長と豊かさに向かうことができるよう、DNAに設計されているのであろうこととしてです。

こうして増していく「豊かさ」とは、感情のあり方としては、「自ら愛していける」ということの増大に他なりません。それが同時に、人に良く見られることや人を打ち負かすことで得る薄っぺらい「プライド」よりも、はるかに大きく深く、そして揺らぎない自尊心を私たちに築かせるのです。そして「現実」を超えて心を満たすものが自分を生かしているという感覚の中で、私たちは「自意識の惑い」を捨て、この不完全な現実世界を生きる上での全ての「怖れ」さえも克服するのです。

そこに、「揺らぎない自尊心によって支えられ、愛によって満たされ、もはや何も恐れるもののない心」 という、心の成長が至るゴールの境地がやがて近づいてきます。


私たち自身の中にある道

「心のあり方」4つのパターンを手短に説明しましたが、これは「ハイブリッド人生心理学」の説明ではなく、私たち自身の中に用意されている心の治癒と成長そして豊かさへの変化の説明です。

ですから、どんな心理療法人生哲学精神世界論も、求め見出している心の変化の正体そのものは、私たち自身の中に用意されているこの変化であり、全く同じものだと私は考えています。
それへの「気づき」「促し」のために、どんな言葉とアプローチ法を用意しようとするか、そして深さ幅の広さの違いでしかないのだと。

ハイブリッド人生心理学では、そうした心の変化の、ごく一断片で終わらせることなく、またごく一面に偏ることなく、生涯を通してそのフルバージョンへと歩むためのものとして、一人でも多くの方に役に立てて頂ければと思っています。

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2010.9.4

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