|
■「仕事場面での不安恐怖症」へのピンポイント対処
仕事場面のことや、多少ご自身の性格の自己分析や来歴の振り返りなど、いろいろ取り組み糸口があると思いますが、まずは仕事場面についてピンポイントで対処を考えてみることから始めると良いと思います。
と言うのも、No.005さんの場合、実際フルタイム勤務が、えぇ・・っと「残業の少ない部署でフルタイム4年ほど」、できているんですね。
これは、明らかに心身基盤としては、その能力があるということなんです。その本来の心身能力に比べて、「意識法」を完全に間違っている可能性があるということです。
でまずそれに取り組む。
それ以外のアプローチとしては、例えば不安恐怖を感じることが、「自尊心」にどう関係しているのか、さらにたとえば「愛されるための自己理想像」なんて視点からはどうか、等々の視点まで広げて取り組むものになります。
今回はまず、その「仕事場面での不安恐怖症」へのピンポイント対処をまず考え、そこから他の糸口がもし見えればそれに取り組んでいく、という感じでまず考えれば良いかと^^。
■「課題」を「感情と行動の分離」を使って考える
で「仕事場面での不安恐怖症」だけピンポイントに対処を考えてみると、まず考えられるのは次のようなもの。
「感情と行動の分離」の応用編とお伝えしましたが、案外応用というより、結構基本の面かも知れません。
まず「課題」を「感情と行動の分離」を使って考えるというものです。
つまり、ハイブリッド心理学を実践する方の多くが、「これをどうしよう」と感じたものについて、「感情と行動の分離」でどう対処すればいいのだろうと考えます。
それを、もっと前に持って行って、「これをどうしよう」の前に、「何がどう問題か」について「感情と行動の分離」で考えていくのが重要なんですねー。
まあ確かにそこが結構難しいところで、この捉え方のコツをつかむようなのが最初のミソになるかも知れません。
心理的な話のみではなく、実際各種の「外面問題へのノウハウ」への視点が助けになってくるところです。
具体的には、No.005さんの不安恐怖の問題は、「感情と行動の分離」からその課題を捉えると、次のようになると思います。
----------------------------------
外面課題 ・・・ ストレスを少なく仕事を進めるための、作業量や仕事環境の調整
このためのノウハウを学び実践していくことが重要。
内面課題 ・・・ 不安恐怖感の原因理解と根本的解消
----------------------------------
外面課題とした「作業量や仕事環境の調整」は、一見して不安恐怖症とは関係ないです。まあ実際、それ自体はかなり無関係です。
しかし、不安恐怖症まで行かない状況でも、ストレスを減らすために工夫できることって、結構あるんですね。四六時中考えてみてもいいくらいに。
一方、No.005さんのような不安恐怖症、もしくはさらに深刻なパニック障害の人というと、一般的な「ストレス」以上の困難が仕事場面に起きているような印象を感じるのですが、実は普通程度のストレスへの対処のためにも使われるそうした対処が、ぽっかりと抜け落ちているというのがありがちです。
そうした普通の対処をぽっかり抜かしたまま、内面の不安恐怖を消そうとする特別なことを求め始める。カンペキに課題と対処がズレ始めてくるわけです。
やがて心療内科に通院とか話が大事になっていき、でそこのセンセはさらに不安恐怖症にじっと見入って薬を処方するなんてことを始めるわけです。これで治らないとは、さらに大事だと。
これはしまいには、心臓の安定状態を心電図検査するのを、陸上のトラック競技の場で行おうとするようなズレた、課題と対処の組み合わせになってしまいます。
ですから、今回のピンポイント対処法というのは、この「作業量や仕事環境の調整」という基本を地道に見直してみる、というよう話に、まずなるんですね。
■「作業量や仕事環境の調整」を徹底的に追求する
でずからまずは、パニック障害以前の段階で、「作業量や仕事環境の調整」というのを、実際のところどうできているかに取り組むのが良いかと思います。
まあ実際どうだったでしょう。No.005さんは、これまで、それをしたでしょうか。
「作業量」については、契約内容もあるでしょうし、日々の作業指示をどんなタイミングでもらい、どんな納期かといった傾向を把握して、改善の余地がないかを考えてみる。
「仕事環境」については、いかに伸び伸びとした気分になれる環境にできるか。机の場所からして実は大問題だったりするでしょう。ちょっとしたインテリアを考えると、それだけで気分は和むものです。
まずそうしたものを、徹底的に追求する。
という感じで、まずそもそも「何を問題と考えるか」からして意識の切り替えをするわけです。
思い切って、不安恐怖症については、仕事場面では脇においてみる、仕事場以外で起きたら考えてみる、なんて大きな意識切り替えもあり得ることが考えられます。
仕事場ではその代わりに、不安恐怖症への対処ではない、本来の仕事環境の調整を行うということで。
■不安恐怖症以外の糸口に取り組む
なお他の糸口が見えればというのは、例えばそうした仕事調整のために上司と話をする段で動揺を感じるといったことが出てきたら、今度は不安恐怖症への対処ではなく、はっきりと対人動揺や対人行動法への取り組みになります。
こんな風に、どんどん取り組み範囲を広げていくことができるわけです。
ということで、まずは「作業量や仕事環境の調整」というごく通常の仕事場課題に、課題意識を変えてみるというアプローチはどうか、ちょっと感触を探ってみて頂ければと。
そう考えると不安恐怖が消える・・という話ではありません。「作業量や仕事環境の調整」というその具体的なことを検討するというのが、実際の今の職場で考えられるか、という話です。
できそうなら、それについてさらに具体的な内容検討に入れますので。 |